判例検索β > 平成9年(行ツ)第7号
建築基準法に基づく許可処分取消、建築確認処分取消請求事件
事件番号平成9(行ツ)7
事件名建築基準法に基づく許可処分取消,建築確認処分取消請求事件
裁判年月日平成14年1月22日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果その他
判例集等巻・号・頁民集 第56巻1号46頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審事件番号平成7(行コ)175
原審裁判年月日平成8年9月25日
判示事項建築基準法(平成4年法律第82号による改正前のもの)59条の2第1項に基づくいわゆる総合設計許可の取消訴訟と同許可に係る建築物の周辺地域に存する建築物に居住し又はこれを所有する者の原告適格
裁判要旨建築基準法(平成4年法律第82号による改正前のもの)59条の2第1項に基づくいわゆる総合設計許可に係る建築物の倒壊,炎上等により直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に存する建築物に居住し又はこれを所有する者は,同許可の取消訴訟の原告適格を有する。
参照法条行政事件訴訟法9条,建築基準法(平成4年法律第82号による改正前のもの)59条の2第1項
裁判日:西暦2002-01-22
情報公開日2017-10-18 06:39:41
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主 文
1 原判決中上告人A1,同A2,同A3及び同A4の被上告人東京都建築主事に対する請求に関する部分を破棄し,第1審判決中同部分を取り消し,同部分につき同上告人らの訴えを却下する。
2 上告人A1,同A2,同A3及び同A4のその余の上告並びに同A5及び同A6の上告を棄却する。
3 第1項の部分に関する訴訟の総費用は,上告人A1,同A2,同A3及び同A4の負担とする。
4 第2項の部分に関する上告費用は上告人らの負担とする。 理 由
第1 上告代理人吉田忠司の上告理由第一について
1 本件は,D生命保険相互会社(以下D生命という。)に対し,平成4年7月7日付けで被上告人東京都知事が建築基準法(平成4年法律第82号による改正前のもの。以下同じ。)59条の2第1項に基づいてしたいわゆる総合設計許可(以下本件総合設計許可という。)及び都市計画法(平成4年法律第82号による改正前のもの。以下同じ。)8条1項3号に規定する都市計画である東京都市計画高度地区(東京都渋谷区決定・平成元年東京都渋谷区告示第61号)に基づいてした許可(以下本件都市計画許可といい,本件総合設計許可と併せて本件各許可という。)並びに同5年5月17日付けで被上告人東京都建築主事がした建築確認(以下本件建築確認という。)が違法であるとして,上告人らが被上告人らに対しこれらの取消しを請求する事案である。
2 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。 (1) D生命は,東京都渋谷区ab丁目に所在する1万3057.83㎡の本件土地を所有しており,これを敷地とし,地上22階建てのタワーを有するオフィスビル,広場等から成る総合建築物(以下本件建築物という。)を建築する計画を立てた。本件土地は,都市計画法8条1項1号所定の住居地域内にあるが,(ア) 本件土地の西側約24%の部分は,建築基準法52条1項所定の容積率が400%の地域内にあり,(イ) 本件土地のその余の部分は,容積率が300%の地域内にある。本件土地に係る容積率は,同条2項により,323.95%となる。 本件土地は,上記のとおり,同条所定の容積率の制限を受けていたほか,同法56条1項2号イ所定のいわゆる隣地斜線制限を受け,また,本件土地のうち上記(イ)の部分は,東京都市計画高度地区の定める第3種高度地区における建築物の各部分の高さの最高限度の制限(以下第3種高度斜線制限という。)を受けていた。東京都市計画高度地区の定めにおいては,同法施行令(平成5年政令第170号による改正前のもの)136条に定める敷地内空地及び敷地規模を有する敷地に総合的な設計に基づいて建築される建築物で市街地の環境の整備改善に資すると認められるもの等に該当し,特定行政庁が許可したものについては,第3種高度斜線制限の規定を適用しないこととしている。本件建築物は,容積率が437.55%であり,本件土地に係る容積率の制限を超え,南側隣地に係る斜線制限及び第3種高度斜線制限にも抵触し,これらの緩和又は適用除外がなければ建築することができないものであった。D生命は,前記のとおり,本件建築物について,容積率制限及び南側隣地に係る斜線制限を緩和する本件総合設計許可並びに第3種高度斜線制限の適用を除外する本件都市計画許可を受けた。その結果,最高の高さが110.25mに及ぶ本件建築物を建築することが可能となった。
(2) 上告人らは,本件建築物のうちのオフィスビルから直線距離で13.5mないし127.5mの範囲に,いずれも建築物を所有している。上告人A5及び同A6(以下上告人A5外1名という。)の住居は,都市計画法8条1項1号所定の住居地域内にあり,同A1及び同A2の住居並びに同A3の所有する賃貸建物は,同号所定の第1種住居専用地域内にある。上告人A4の亡夫Eは,第1種住居専用地域内に建築物を所有し,本件訴訟の原告の1人であったが,第1審係属中に死亡し,同上告人が,上記建築物の持分を相続により承継取得して,亡A4の本件訴訟を承継した。
本件建築物は,冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時までの間において,上告人A1及び同A2の各住居並びに同A4の所有する建築物の敷地上,平均地盤面からの高さ1.5mに,それぞれ2時間前後の日影を生じさせ,同A3の賃貸建物の敷地上にも同様に1時間弱の日影を生じさせるが,本件土地の南側にある上告人A5外1名の各住居の敷地上には,日影を生じさせない。
(3) 東京都は,総合設計許可の可否に関する判断基準として東京都総合設計許可要綱を定めている。同要綱は,建築基準法が要求する最低限の空地,敷地要件,計画建築物の敷地が接道すべき道路の幅員,敷地内の公開空地の形状等に関する基準を設け,敷地に対する公開空地の割合に基づく容積率の緩和の原則及び緩和の限度,計画建築物と一般建築物の斜線投影面積の比較による道路斜線制限及び隣地斜線制限の緩和の限度,日照条件による北側斜線制限(第3種高度斜線制限を含む。)の緩和の限度を具体的に定めるものであって,建ぺい率,容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がされていることの統一的な認定基準として定められたものである。また,同要綱は,対象となる建築計画の要件として,周辺の市街地環境に対して十分配慮した建築形態であること等を挙げている。
同要綱は,総合設計許可のみならず,東京都市計画高度地区に基づく第3種高度斜線制限の適用除外の許可についても,その判断基準として用いられている。本件各許可も本件建築物が同要綱所定の各種基準に適合することを確認してされた。なお,被上告人東京都知事は,本件各許可をするに際し,本件建築物の建築が市街地の環境整備に支障がないとの東京都渋谷区の意向をも確認した。 3 原審は,上記事実関係の下において,① 被上告人東京都知事に対する本件総合設計許可の取消しの訴えをすべて不適法として却下すべきものとし,② 同被上告人に対する本件都市計画許可の取消請求については,上告人A5外1名の訴えを不適法として却下すべきものとし,上告人A1,同A2,同A3及び同A4(以下上告人A1外3名という。)の訴えは適法とした上で,その請求を棄却すべきものとし,③ 被上告人東京都建築主事に対する本件建築確認の取消請求については,上告人A5外1名の訴えを不適法として却下すべきものとし,上告人A1外3名の訴えは適法とした上で,その請求を棄却すべきものとした。原審の判断の概要は,次のとおりである。
(1) 本件総合設計許可は,本件建築物につき,容積率制限と南側隣地に係る斜線制限を緩和するものである。容積率制限は,建築物の過密化を避け適当な都市環境を確保するとともに,道路等の公共施設との調和を図ること等を目的とするものであって,近隣住民の個別的な利益を直接保護する趣旨のものではない。斜線制限のうち本件で緩和の対象とされた南側隣地に係る斜線制限は,隣接地の日照を保護することを目的としたものでなく,専ら一般的な採光,天空視界の確保,上空開放感の維持等を目的とするものであり,一般的な都市空間の確保という公益保護を目的とするにとどまる。したがって,上告人らは,本件総合設計許可の取消しを求める原告適格を有しない。
(2) 東京都市計画高度地区による第3種高度斜線制限は,容積率が300%の住居地域において,敷地の北側境界線からの距離に応じた斜線方式による建築物の各部分の高さを制限して隣接地の日照を確保することを主な目的とする。本件都市計画許可により日照利益に影響を受けることとなる上告人A1外3名は,本件都市計画許可の取消しを求める原告適格を有するが,上告人A5外1名は,本件土地の南側に居住し,第3種高度斜線制限によって直接保護された利益を有するものではなく,その取消しを求める原告適格を有しない。 (3) 本件建築物が建築されることによって日照に一定程度の影響を受けることとなる上告人A1外3名は,本件建築確認の取消しを求める原告適格を有するが,上告人A5外1名は,本件建築物が建築されることによって日照に影響を受けるものではないから,その取消しを求める原告適格を有しない。
(4) 都市計画法は,高度地区を都市計画において定めるに当たっては,その具体的内容及び指定地域をどのように定めるかを都市計画にゆだねたものと解すべきであるから,高度地区を定める都市計画において,一定の例外的な場合に高度地区の定めを適用除外とすることを定めることも,高度地区を具体的に指定する方法の一つとして容認されている。東京都市計画高度地区における第3種高度斜線制限の適用除外の規定は,都市計画法及び建築基準法に違反しない。第3種高度斜線制限の適用を除外する許可の要件の有無の判断は,建築や都市計画に関する技術的・専門的な知識経験を有する特定行政庁の広範な裁量にゆだねられている。本件建築物は,東京都総合設計許可要綱所定の各種基準に適合するものであり,被上告人東京都知事が,上記の要件を満たすと判断して本件都市計画許可をしたことに,その裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用した違法があるということはできない。 (5) 本件総合設計許可が違法であるかどうかは,上告人A1外3名の法律上の利益と関係がなく,上告人A1外3名は,その違法を主張して本件建築確認の取消しを求めることはできない。また,本件都市計画許可が適法であることは前記のとおりであるから,同許可の違法を理由に本件建築確認の違法をいう上告人A1外3名の主張は失当である。
4 しかしながら,原審が,上告人ら全員につき本件総合設計許可の取消しを求める原告適格を否定し,また,上告人A5外1名につき本件都市計画許可の取消しを求める原告適格を否定した各判断は,いずれも是認することができない。その理由は,次のとおりである。 (1) 行政事件訴訟法9条は,取消訴訟の原告適格について規定するが,同条にいう当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであり,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益に当たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。そして,当該行政法規が,不特定多数者の具体的利益をそれが帰属する個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むか否かは,当該行政法規の趣旨・目的,当該行政法規が当該処分を通して保護しようとしている利益の内容・性質等を考慮して判断すべきである(最高裁平成元年(行ツ)第130号同4年9月22日第三小法廷判決・民集46巻6号571頁,最高裁平成6年(行ツ)第189号同9年1月28日第三小法廷判決・民集51巻1号250頁参照)。
(2) 上記の見地に立って,まず,上告人らの本件総合設計許可の取消しを求める原告適格について検討する。
建築基準法は,52条において建築物の容積率制限,55条及び56条において高さ制限を定めているところ,これらの規定は,本来,建築密度,建築物の規模等を規制することにより,建築物の敷地上に適度な空間を確保し,もって,当該建築物及びこれに隣接する建築物等における日照,通風,採光等を良好に保つことを目的とするものであるが,そのほか,当該建築物に火災その他の災害が発生した場合に,隣接する建築物等に延焼するなどの危険を抑制することをもその目的に含むものと解するのが相当である。そして,同法59条の2第1項は,上記の制限を超える建築物の建築につき,一定規模以上の広さの敷地を有し,かつ,敷地内に一定規模以上の空地を有する場合においては,安全,防火等の観点から支障がないと認められることなどの要件を満たすときに限り,これらの制限を緩和することを認めている。このように,同項は,必要な空間を確保することなどを要件として,これらの制限を緩和して大規模な建築物を建築することを可能にするものである。容積率制限や高さ制限の規定の上記の趣旨・目的等をも考慮すれば,同項が必要な空間を確保することとしているのは,当該建築物及びその周辺の建築物における日照,通風,採光等を良好に保つなど快適な居住環境を確保することができるようにするとともに,地震,火災等により当該建築物が倒壊,炎上するなど万一の事態が生じた場合に,その周辺の建築物やその居住者に重大な被害が及ぶことがないようにするためであると解される。そして,同項は,特定行政庁が,以上の各点について適切な設計がされているかどうかなどを審査し,安全,防火等の観点から支障がないと認めた場合にのみ許可をすることとしているのである。以上のような同項の趣旨・目的,同項が総合設計許可を通して保護しようとしている利益の内容・性質等に加え,同法が建築物の敷地,構造等に関する最低の基準を定めて国民の生命,健康及び財産の保護を図ることなどを目的とするものである(1条)ことにかんがみれば,同法59条の2第1項は,上記許可に係る建築物の建築が市街地の環境の整備改善に資するようにするとともに,当該建築物の倒壊,炎上等による被害が直接的に及ぶことが想定される周辺の一定範囲の地域に存する他の建築物についてその居住者の生命,身体の安全等及び財産としてのその建築物を,個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むものと解すべきである。そうすると,【要旨】総合設計許可に係る建築物の倒壊,炎上等により直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に存する建築物に居住し又はこれを所有する者は,総合設計許可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,その取消訴訟における原告適格を有すると解するのが相当である。
前記事実関係によれば,上告人A3及び同A4以外の上告人らが居住し,かつ,所有する建築物並びに同A3及び同A4の所有する建築物は,いずれも本件建築物が倒壊すれば直接損傷を受ける蓋然性がある範囲内にあるものということができる。したがって,上告人らは,本件総合設計許可の取消しを求める原告適格を有するものというべきである。してみると,上告人らにつき本件総合設計許可の取消しを求める原告適格を否定し,その取消しを求める訴えを却下すべきものとした原審の判断には,法令の解釈適用を誤った違法があるといわざるを得ない。 ところで,原審は,被上告人東京都知事が本件建築物が東京都総合設計許可要綱所定の各種基準に適合することを確認して本件各許可をしたことを認定した上で,本件建築物は上記基準に適合するものであり,同被上告人が第3種高度斜線制限の適用除外の許可の要件を満たすと判断して本件都市計画許可をしたことに,その裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用した違法があるということはできないから,上告人A1外3名の同被上告人に対する本件都市計画許可の取消請求は理由がなく棄却すべきものと判断している。そして,後述のとおり,原審の上記認定判断は是認することができるものであり(後記第2参照),上記認定判断に徴すれば,上告人らの同被上告人に対する本件総合設計許可の取消請求もまた,理由のないものであることが明らかである。以上によると,本件総合設計許可の取消請求は理由がないものとして棄却すべきこととなるが,いわゆる不利益変更禁止の原則により,上告を棄却するにとどめるほかはない。
(3) 次に,上告人らの本件都市計画許可の取消しを求める原告適格について検討する。
総合設計許可について前述したところにかんがみれば,東京都市計画高度地区による第3種高度斜線制限は,その趣旨・目的等に照らし,敷地の北側境界線からの距離に応じた斜線方式による建築物の各部分の高さを制限し,周辺の日照,通風,採光等を良好に保つなど快適な居住環境を確保することができるようにするとともに,当該建築物が地震,火災等により倒壊,炎上するなどの事態が生じた場合に,その周辺の建築物や居住者に被害が及ぶことを防止することを目的とするものと解するのが相当である。したがって,第3種高度斜線制限の適用除外の許可に係る建築物の倒壊,炎上等により直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に存する建築物に居住し又はこれを所有する者は,その生命,身体の安全等又は財産としての建築物を個別的利益としても保護されているものと解されるのであり,上記許可の取消しを求める原告適格を有するものと解するのが相当である。 本件総合設計許可の原告適格について前述したところによれば,上告人らは,本件都市計画許可についても,その取消しを求める原告適格を有するものというべきである。上告人A5外1名につき本件都市計画許可の取消しを求める原告適格を否定し,その取消しを求める訴えを却下すべきものとした原審の判断には,法令の解釈適用を誤った違法があるといわざるを得ない。しかしながら,原審が上告人A1外3名の本件都市計画許可の取消請求は理由がなく棄却すべきものと判断したことは前記のとおりであり,その判断を是認することができることは後記第2のとおりであって,上告人A5外1名の同請求についても,その理由がなく棄却すべきことは明らかであるところ,ここでも,不利益変更禁止の原則により,上告を棄却するにとどめるほかはない。
(4) さらに,本件建築確認に係る本件建築物の工事がすべて完了したことにより本件建築確認の取消しを求める訴えの利益が失われたことは,後記第3のとおりであるから,上告人A5外1名が本件建築確認の取消しを求める原告適格を有しないとしてその訴えを却下すべきものとした原審の判断は,結論において是認することができる。この点に関する上告人A5外1名の上告は棄却すべきである。 (5) 以上によれば,論旨は,結局,採用することができない。 第2 上告代理人吉田忠司の上告理由第二及び第三について
所論の点に関する原審の認定判断は,原判決挙示の証拠関係に照らし,是認することができ,その過程に所論の違法はない。論旨は,採用することができない。 第3 職権による検討
建築確認は,それを受けなければ建築基準法6条1項の建築物の建築等の工事をすることができないという法的効果を付与されているにすぎないものというべきであるから,当該工事が完了した場合においては,建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われる(最高裁昭和58年(行ツ)第35号同59年10月26日第二小法廷判決・民集38巻10号1169頁参照)。

記録によれば,本件建築確認に係る本件建築物の工事はすべて完了したことが認められるから,上告人らにおいて本件建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われたものというべきである。そうすると,原判決及び第1審判決中,上告人A1外3名の本件建築確認の取消請求を棄却すべきものとした部分には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるから,原判決中上記部分を破棄して,第1審判決中上記部分を取り消し,上告人A1外3名の上記請求に係る訴えを却下すべきである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 濱田邦夫 裁判官 千種秀夫 裁判官 金谷利廣 裁判官 奥田昌道)
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