判例検索β > 昭和55年(あ)第1031号
児童福祉法違反
事件番号昭和55(あ)1031
事件名児童福祉法違反
裁判年月日昭和56年4月8日
法廷名最高裁判所第一小法廷
裁判種別決定
結果棄却
判例集等巻・号・頁刑集 第35巻3号63頁
原審裁判所名大阪高等裁判所
原審裁判年月日昭和55年5月15日
判示事項児童福祉法三四条一項九号にいう児童を「自己の支配下に置く行為」にあたるとされた事例
裁判要旨家出中の児童を、軽食喫茶店内の賭博遊技機を設置したゲーム室で働かせるため雇い入れ、同じ建物内の一室に居住させ、勤務につき指導監督するほか、食事を給するなどして、児童に心理的影響を及ぼし、その意思を左右しうる状態に置き、被告人らの影響下から離脱することを困難にさせた所為(判文参照)は、児童福祉法三四条一項九号にいう児童を「自己の支配下に置く行為」にあたる。
参照法条児童福祉法34条1項9号,児童福祉法60条2項
裁判日:西暦1981-04-08
情報公開日2017-10-17 14:02:50
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主 文
本件各上告を棄却する
理 由
弁護人高野嘉雄の上告趣意のうち、判例違反をいう点は、所論引用の判例は事案を異にし本件に適切でなく、その余は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。
なお、原判決の認定するところによれば、被告人Aは、原判示Bが一八歳未満の児童で、家出して同被告人の所有管理する同判示Cビル四階の甥の居室に寝泊りしているものであることを知りながら、右Bを、同人からの申入れにより、親権者の同意を得ることなく、同ビル一階の軽食喫茶店D内の賭博遊技機を設置したゲーム室で賭金の両替や賭客の看視、警察官の立入りに対する見張り等の業務に従事させるために店員として雇い入れ、引き続き前記居室に居住させ、同被告人の実弟で右の事情を知る被告人Eと互いに協力のうえ、右Bの勤務について指導監督するほか、同店で無料で食事をとらせる等の便益を供与するなどして、右業務に従事させた、というのであつて、被告人らが、家出中の児童を右のような雇用及び居住関係のもとに置いた場合には、前記便益の供与等とも相まち、児童であるBに心理的な影響を及ぼし、その意思を左右しうる状態に置き、被告人らの影響下から離脱することを困難にさせたものと認めるのに十分であり、被告人らの右所為は児童福祉法三四条一項九号にいわゆる児童を自己の支配下に置く行為にあたるものというべきであつて、これと同旨の原判断は相当である。
よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
昭和五六年四月八日
最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 谷 口 正 孝 裁判官 団 藤 重 光 裁判官 藤 崎 萬 里 裁判官 本 山 亨 裁判官 中 村 治 朗
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