判例検索β > 昭和38年(あ)第2496号
贈賄、背任
事件番号昭和38(あ)2496
事件名贈賄、背任
裁判年月日昭和39年11月18日
法廷名最高裁判所大法廷
裁判種別決定
結果棄却
判例集等巻・号・頁刑集 第18巻9号597頁
原審裁判所名仙台高等裁判所
原審裁判年月日昭和38年10月4日
判示事項控訴審において主張診断のなかつた実体刑罰法規に関する違憲の主張が上告理由として不適法とされた事例。
裁判要旨第一審判決が、刑法第一九八条第一項を適用して被告人を有無としたのに対し、被告人は控訴趣意において右規定自体の合憲性を争う主張を全くせず、原判決もこの点になんらふれるところなく控訴を棄却した場合、上告審で右規定の違憲をいう論旨は、適法な上告理由に当らない。
参照法条刑訴法405条
裁判日:西暦1964-11-18
情報公開日2017-10-17 14:17:10
裁判所の詳細 / 戻る / PDF版
主 文
本件上告を棄却する
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理 由
弁護人佐々野虎一の上告趣意(一)について。
所論は、刑法一九八条の規定は憲法二九条一項に違反する旨主張する。 しかしながら、記録に徴すれば、本件第一審判決は右刑法の条項を適用して被告人を有罪としたのに対し、被告人は控訴趣意書において右刑罰規定自体の合憲性を争う主張を全くせず、従つて原判決もこの点になんら触れるところなく、右控訴を棄却したものであることが明らかである。このように原審で主張判断を経なかつた事項に関し、当審において新たに違憲をいう主張は、適法な上告理由に当らないものといわなければならない。けだし、元来、上告は、控訴審の判決に対する上訴であるから、控訴審で審判の対象とならなかつた事項を上告理由として主張することは許されないものと解すべきであり、また控訴審では、控訴趣意書に包含されている事項を調査すれば足り、これに包含されていない事項については、たとえそれが第一審判決の適用法条の合憲性の有無に関するものであつても、職権調査の義務を当然には負うものではなく、この点に関し判断をしなかつたからといつて、上告を以て攻撃されるべき違法とは言い難いからである。
同上告趣意(二)は量刑不当の主張であり、同(三)は憲法七六条三項違反をいうが、実質は単なる法令違反、量刑不当の主張であつて、いずれも上告適法の理由とならない。 よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
昭和三九年一一月一八日
最高裁判所大法廷 裁判長裁判官 横 田 喜 三 郎 裁判官 入 江 俊 郎 裁判官 奥 野 健 一 裁判官 石 坂 修 一 裁判官 山 田 作 之 助 裁判官 五 鬼 上 堅 磐 裁判官 横 田 正 俊 裁判官 草 鹿 浅 之 介 裁判官 長 部 謹 吾 裁判官 城 戸 芳 彦 裁判官 石 田 和 外 裁判官 柏 原 語 六 裁判官 田 中 二 郎 裁判官 松 田 二 郎 裁判官 岩 田 誠
トップに戻る

saiban.in