判例検索β > 平成2年(あ)第434号
児童福祉法違反
事件番号平成2(あ)434
事件名児童福祉法違反
裁判年月日平成5年10月26日
法廷名最高裁判所第一小法廷
裁判種別決定
結果棄却
判例集等巻・号・頁刑集 第47巻8号81頁
原審裁判所名東京高等裁判所
原審裁判年月日平成2年3月28日
判示事項児童福祉法六〇条三項の「児童を使用する者」に当たるとされた事例
裁判要旨ビデオ録画の制作、販売等を目的とする株式会社の代表取締役が、会社の業務に関してわいせつビデオ録画を制作するに当たり、女優等の紹介業者との間で、右業者所属の一五歳の児童をその主演女優として出演させる契約を締結し、同児童に二日間にわたって男優を相手としたわいせつな演技をさせるなどして、同児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的でこれを自己の支配下に置いたという本件事実関係(判文参照)の下においては、右代表取締役は児童福祉法六〇条三項という「児童を使用する者」に当たる。
参照法条児童福祉法60条3項
裁判日:西暦1993-10-26
情報公開日2017-10-17 13:58:05
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主 文
本件上告を棄却する
理 由
弁護人菅田文明の上告趣意のうち、判例違反をいう点は、所論引用の判例は事案を異にし本件に適切でなく、その余は、憲法違反をいう点を含め、その実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。
なお、原判決及びその是認する第一審判決の認定によれば、被告人は、ビデオテープレコーダー用映像の企画、制作並びに販売等を目的とする株式会社Aの代表取締役として同社の業務全般を統括していた者であるが、同社の業務に関して、あぶないセーラー服と題するビデオ録画の制作、販売を企画し、Bに脚本の作成及び録画の監督を委嘱し、同人に対して事前の企画段階や脚本原案の検討段階において具体的に指示を与えるなどし、他方、マウントプロモーションの名称でモデルや女優の有料紹介業を営んでいるCから売り込み方を持ち込まれていた同プロモーション所属の当時一五歳の児童(以下、本件児童という。)を、自ら書類審査し、同社の制作担当をして面接を行わせた上で、右ビデオ録画に主演女優として出演させることを自ら最終決定し、Cとの間で、被告人及びCそれぞれにおいてその従業者を介して、本件児童をして同社が制作するビデオ録画一本に出演料八〇万円で出演させる契約を締結し、その上で、本件児童をして、Bの指揮監督の下に、二日間にわたり、いずれも午前八時ころから午後一〇時ころまで、東京渋谷区内のスタジオなどにおいて、同社の制作関係者が事前に立てた録画予定表に従い、男優を相手として、露骨な性戯、模擬性交などのわいせつな演技をさせるなどし、もって、右C及びBらと意思相通じ、児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的でこれを自己の支配下に置いたというのであって、右の事実関係の下においては、被告人が児童福祉法六〇条三項にいう児童を使用する者に当たることは明らかである。
よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
平成五年一〇月二六日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 小 野 幹 雄 裁判官 大 堀 誠 一 裁判官 味 村 治 裁判官 三 好 達 裁判官 大 白 勝
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