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愛知万博における索道(ゴンドラ)事業許可処分取消請求控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成16年(行ウ)第21号)
事件番号平成16(行コ)26
事件名愛知万博における索道(ゴンドラ)事業許可処分取消請求控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成16年(行ウ)第21号)
裁判年月日平成16年12月8日
法廷名名古屋高等裁判所
判示事項2005年日本国際博覧会(愛知万博)会場間ゴンドラリフトの設置に際し,運輸局長が鉄道事業法32条に基づいてした索道事業許可処分の取消しの訴えにつき,索道施設から100メートルないし11キロメートル離れた場所に居住する者らの原告適格を否定した事例
裁判要旨2005年日本国際博覧会(愛知万博)会場間ゴンドラリフトの設置に際し,運輸局長が鉄道事業法32条に基づいてした索道事業許可処分の取消しの訴えにつき,鉄道事業法(平成15年法律第96号による改正前),同法施行規則(平成16年国土交通省令第1号による改正前)及び同法35条を受けて技術上の基準を定める省令が保護しようとしている利益は,専ら索道利用者の生命及び身体の安全といった一般的公益にとどまり,索道周辺住民や索道と交錯する道路ないし鉄道を利用する特定の者の生命,身体,財産といった具体的利益を個別的に保護しようとするものではないから,索道施設から100メートルないし11キロメートル離れた場所に居住し,自己の生命,身体の安全,財産権,人格権,環境権ないし自然享有権が侵害されると主張する者らは,前記処分の取消しを求める法律上の利益を有する者に当たらず,原告適格を有しないとした事例
裁判日:西暦2004-12-08
情報公開日2017-10-19 20:23:56
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主文1
本件控訴を棄却する

2
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由

第1
1
当事者の求めた裁判
控訴人

(1)原判決を取り消す。
(2)被控訴人が平成15年12月26日付けで財団法人Aに対してした索道事業許可処分(許可番号・中運鉄技第×××号)を取り消す。
(3)訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。
2
被控訴人
主文同旨

第2
1
事案の概要
本件は,被控訴人が,財団法人A(以下Aという。からの索道事業許)
可申請に対し,前掲許可処分(以下本件処分という。をしたところ,控)
訴人及び選定者ら(当審の選定者らほか3名(以下,当審の選定者ら以外を原審選定者らということがある。を含む。以下,控訴人及び当審選定者らを,)
また当審選定者ら以外の3名の原審選定者らを含めて控訴人らということがある。
)が,Aの設置する予定の索道施設(以下本件ゴンドラという。

には,十分な安全及び事故予防の対策がなされていないなどと主張して,本件処分の取消しを求めた事案である。

2
原審は,控訴人が行政事件訴訟法9条にいう処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に当たるとは認められず,本件訴えは不適法であるなどとして,同訴えを却下したところ,これを不服とする控訴人が本件控訴に及んだ(なお,当審選定当事者は控訴人のほか3名)


3
本件の前提となる事実(当事者間に争いのない事実等)争点,争点に関す,

る当事者双方の主張は,
以下のとおり原判決を付加訂正するほかは,
原判決第
2事案の概要の1ないし3に記載のとおり(ただし,原審選定者ら3名に
係る部分を除く。
)であるから,これを引用する。
原判決8頁24行目末尾に次のとおり付加する。
また,上記保安林指定地内について,上記のように所要の乗客の安全救助のための対策を行うためには,都道府県知事の許可等を得なければならないにもかかわらず,これを得ていないものであり,かかる事業計画を許可することは,ひいては森林法にも違反するものというべきである。第3
1
当裁判所の判断
当裁判所も,控訴人には,本件請求を行う原告適格が認められず,これを却下すべきものと判断するが,その理由は,以下のとおり原判決を付加訂正するほかは,原判決第3当裁判所の判断に記載のとおりであるから,これを
引用する。
(1)原判決9頁17行目個々人のを控訴人が主張するような個々人のと改める。
(2)同11頁6行目から7行目にかけてのまたから10行目末尾までを次のとおり改める。
また,同省令17条1項は,物の落下による危険が生じるおそれのある箇所には,適当な保護設備を設けなければならない旨定めているが,搬器自体については,同省令7条,11条,23条1号等により,索道設備の強度を確保することによってそれが落下するような事態は防止しようというのが同省令や法の趣旨であることは明らかであるから,ここで想定されているのは,専ら搬器からの物の落下であり,上記規定は,これに対し索道下に存在することのあるべき不特定多数者を一般に保護することを目的としていると解すべきであって,控訴人が主張するように搬器等の落下等の事態から周辺住民を個々的に保護しようとするものではないというべきである。。)
(3)同11頁24行目冒頭から12頁3行目末尾までを次のとおり改める。そうすると,法,規則及び技術上の基準を定める省令が,索道事業の許可制度によって保護しようとしている利益は,専ら索道利用者の生命及び身体の安全といった一般的公益,またせいぜい搬器から物が落下すること等に対し索道下方を通行する不特定多数者の安全を確保するという一般的公益にとどまるのであって,索道周辺住民や,索道と交錯する道路ないし鉄道を利用する特定の者の生命,身体,財産といった具体的利益を個別的に保護しようとするものではないといわなければならない。索道施設が十分な安全性を備えることによって,後者の利益も確保されることになるとしても,それは反射的な利益に過ぎないと解するのが相当である。(4)同12頁11行目末尾に次のとおり付加する。
また,念のため付言するに,控訴人らは,いずれも本件索道から100メートル以上離れた位置に住居を有する者であり,乙2の1によれば,本件索道の地面からの高さは,せいぜい35メートル程度にとどまることからすると,先に述べた搬器からの物の落下に対する保護という観点を含めて考えてみても,そもそもこれら住居等について特段の個別的利益の保護が問題とされるべき関係にもない。2
よって,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。
名古屋高等裁判所民事第3部

裁判長裁判官

青山邦夫
裁判官

田邊浩典
裁判官

手嶋あさみ
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