判例検索β > 平成19年(ワ)第28949号
損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟
事件番号平成19(ワ)28949
事件名損害賠償請求事件
裁判年月日平成20年7月30日
法廷名東京地方裁判所
裁判日:西暦2008-07-30
情報公開日2017-10-19 18:56:00
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平成20年7月30日判決言渡

同日原本領収

平成19年(ワ)第28949号

損害賠償請求事件

口頭弁論終結日

裁判所書記官

平成20年5月19日
判決
東京都中央区〈以下略〉
原告
株式会社銀座サラブレッド倶楽部

同訴訟代理人弁護士

萱場健一郎同片山同島田敬介同友澤太郎家俊治建龍祐典律
千葉県市川市〈以下略〉
被告A告B
上記両名訴訟代理人弁護士

宮同金同瀬
千葉県船橋市〈以下略〉
被主文1
原告の請求をいずれも棄却する。

2
訴訟費用は原告の負担とする。

第1

戸実及び理由
請求
被告らは,原告に対し,連帯して金563万8000円及びこれに対する被告
Aにつき平成19年11月14日から,被告Bにつき同月21日から,各支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。

第2

事案の概要
本件は,馬券予想の情報提供等を業とする原告が,原告及び原告関連会社の従
業員であった被告らに対し,被告らが共謀して,①原告が所有する顧客名簿をコピーして持ち出し,被告ら自身の営業行為としてダイレクトメールに使用したことは,不正競争防止法(以下不競法という。2条1項4号所定の不正競争行)
為に,②原告及び原告関連会社が所有するプリンター用トナー等の備品を窃取したことは,民法上の不法行為に,③上記顧客名簿記載の顧客に対し,原告の信用を毀損する虚偽情報を電話で告知するなどの方法により流布したことは,不競法2条1項14号所定の不正競争行為に,それぞれ該当するとして,①及び③につき不競法4条に基づき,②につき民法709条に基づき,連帯して,営業損害金3317万9004円の内金500万円及び備品の被害額63万8000円の合計563万8000円及びこれに対する訴状送達の日の翌日(被告Aにつき,平成19年11月14日,被告Bにつき,同月21日)から各支払済みに至るまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。1
前提となる事実(争いがない事実以外は証拠等を末尾に記載する。)
(1)当事者等

原告らについて
(ア)原告は,馬券予想の情報提供等を主たる業とする株式会社であり,平成17年9月1日,有限会社中央競馬総研として設立され,平成18年6月21日,株式会社農林水産投資協会に商号を変更し,平成19年6月13日,現商号に変更した。
(甲16)
(イ)原告代表者は,有限会社村上投信(以下村上投信という。
)及び
株式会社野村投資コンサルティング平成19年3月1日設立。

以下野
村投資コンサルティングという。の代表者を兼務している。村上投信)
及び野村投資コンサルティングも,
原告の営業所を主たる営業所として,
馬券情報の収集,提供業務を行っている。
(甲16,弁論の全趣旨)


被告らについて
(ア)被告Aは,平成18年4月ころ,村上投信に入社し,同社の営業所において勤務していたが,同年12月25日,同社を退社した。
(イ)被告Bは,同年4月ころ,原告に入社し,同社の営業所において勤務していたが,同年12月25日,同社を退社した。
(ウ)Cは,同年7月ころ,村上投信に入社し,同社の営業所において勤務した後,同年12月25日,同社を退社した。その後,平成19年2月初頭,村上投信に再入社し,同年4月1日付けで原告に移籍したが,同年5月22日ころ,原告を解雇された。
(甲9,16)

(2)被告らによる営業活動
被告らは,原告又は村上投信在職中の平成18年秋ころ(具体的な時期については争いがある。,新会社の設立を企図し,業務時間内外において,原)
告及び村上投信の設備,備品等を使用して,新会社設立の準備をするなどしていた。
被告らは,
原告又は村上投信を退社した後,株)
(タワー投資ファンド以

下タワー投資ファンドという。,(株)三井投資センター」以下三井)「(投資センターという。の屋号で,それぞれ馬券情報の収集,提供を内容と)
する営業活動を始めた(具体的な営業の開始時期については争いがある。。)
2
争点
(1)被告らによる不正競争行為の有無

顧客名簿は営業秘密に該当するか(争点1-ア)


顧客名簿の不正取得行為の有無(争点1-イ)


顧客名簿の使用行為の有無(争点1-ウ)


原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し,又は流布する行為の有無(争点1-エ)


損害の有無及びその額(争点1-オ)

(2)被告らによる不法行為の有無
アイ3
被告らによる備品等窃取行為の有無(争点2-ア)
損害額(争点2-イ)

争点についての当事者の主張
(1)被告らによる不正競争行為の有無

顧客名簿は営業秘密に該当するか(争点1-ア)

【原告の主張】
(ア)顧客名簿の種類
原告が営業に当たって使用する名簿は2種類あり,1つは,名簿販売業者から購入した名簿(以下一般名簿
という。であり,

他の1つは,
原告が,一般名簿などに記載されている者に対し,ダイレクトメールを発送して勧誘した結果,原告の会員となった者の情報のみが記載された名簿(以下会員名簿という。
)である。
(イ)秘密管理性
原告の顧客名簿は,いずれも,原告の筆頭株主で,実質的な経営者であるDが使用するパソコンに電子データの形で保存され,このパソコンには,Dしか知らない暗証番号でロックが掛けられていた。
原告が千葉県市川市〈以下略〉所在の貸事務所を営業所としていた平成18年2月から同年5月ころは,当該事務所が1部屋のみの狭いものであったため,顧客名簿をプリントアウトして使用した場合は,Dが貴重品として自宅に持ち帰っていた。なお,当該事務所の鍵は,D及び原告代表者のみが管理していた。
原告が〈略〉という名称のマンションの一室を営業所としていた同年6月ころから同年9月ころは,D及び原告代表者のデスクを置いていた社長室に通じるドアに,鍵付きの錠を取り付け,その鍵はD及び原告代表者のみが管理していた。プリントアウトした顧客名簿や,一般名簿が
記録されているCD-ROMは,社長室に保管されていた。
原告が同市〈以下略〉所在の〈略〉を営業所としていた同年10月ころ以降も,社長室に通じるドアには鍵を設け,D及び原告代表者が不在の際には施錠し,他の従業員が入れないようにしていた。プリントアウトした顧客名簿や,一般名簿が記録されているCD-ROMは,社長室に保管されていた。
もっとも,
新規会員の勧誘や,
会員に対する機関紙などの発送のため,
アルバイト職員などにダイレクトメールの宛名書きをしてもらう必要がある場合には,Dのパソコンからプリントアウトした顧客名簿を,段ボール箱などに入れて保管しておくことがあった。このプリントアウトされた顧客名簿については,原告の従業員であれば,営業時間中,見ることが可能であった。
原告は,設立後間もないころは,金庫を使用していなかったが,現在は,プリントアウトした顧客名簿を金庫で保管している。
このような厳重な管理方法にかんがみれば,被告らを含む原告従業員が,これらの顧客名簿は営業秘密であることを認識できるような状態であったといえるし,かつ,これらにアクセスできる者は制限されているから,一般名簿及び会員名簿は秘密管理性を有する。
(ウ)有用性
原告は,一般名簿などを基に会員の勧誘をしているのであるから,一般名簿には有用性がある。
一般名簿に原告の営業努力や営業ノウハウが付加された会員名簿が,原告にとって有用なものであることは明らかである。
(エ)非公知性
一般名簿及び会員名簿は,原告の従業員以外の不特定人に知られていないから,非公知性を有する。

(オ)小括
したがって,一般名簿及び会員名簿は,不競法2条6項が規定する営業秘密に該当する。
【被告らの主張】
いずれも否認する。

顧客名簿の不正取得行為の有無(争点1-イ)

【原告の主張】
被告らは,平成18年9月ころから同年12月25日ころまで,及び平成19年2月ころから同年5月22日ころまでの間,継続的に,原告及び村上投信が所有する一般名簿及び会員名簿の情報を不正に持ち出した。平成18年中においては,被告ら各人が実行行為者として,平成19年中においては,被告ら及びCが共謀の上,Cが実行行為者として,主に原告代表者や他の従業員が不在のときに,一般名簿及び会員名簿を,原告の備品であるコピー用紙に,原告所有のコピー機を利用してコピーし,持ち帰った。
【被告らの主張】
否認する。
被告らは,営業に当たり,顧客名簿を独自に入手したのであって,原告らの顧客名簿を盗用する必要はなかった。

顧客名簿の使用行為の有無(争点1-ウ)

【原告の主張】
被告らは,原告から持ち出した一般名簿及び会員名簿に記載された顧客らに対し,原告の競業者であるタワー投資ファンド及び三井投資センター名義のダイレクトメールを送付するなどして,不正に持ち出した原告の顧客名簿を使用した。
【被告らの主張】

否認する。
被告らは,独自に入手した顧客名簿に基づいて,顧客らに対し,ダイレクトメールを送付したものである。原告の顧客名簿記載の顧客と被告の入手した顧客名簿記載の顧客とが一部重なったとしても,これは,競馬情報を欲するという顧客の特殊性からみて,十分あり得ることである。エ
原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し,又は流布する行為の有無(争点1-エ)

【原告の主張】
被告らは,タワー投資ファンド及び三井投資センターの営業開始後,それらの顧客らに対し,

原告の予想は絶対に当たらない。悪徳予想屋である。,一度,原告の会員になると,脱会しようとすると脅迫される。(以

下,これらを併せて本件告知事実という。などと,原告の信用を著し)
く毀損する虚偽の情報を,電話で告知するなどの方法で流布した。【被告らの主張】
否認する。

損害の有無及びその額(争点1-オ)

【原告の主張】
(ア)原告設立以来の月次売上高の推移は,以下のとおりである。平成17年10月

145万円

平成17年11月

285万円

平成17年12月

306万円

平成18年1月

386万円

平成18年2月

242万円

平成18年3月

759万5000円

平成18年4月

349万5000円

平成18年5月

272万5000円

平成18年6月

327万5000円

平成18年7月

105万円

平成18年8月

407万円

平成18年9月

1268万円

平成18年10月

737万5000円

平成18年11月

1013万円

平成18年12月

705万5000円

平成19年1月

608万7500円

平成19年2月

715万7000円

平成19年3月

1047万5000円

平成19年4月

597万5000円

平成19年5月

328万円

平成19年6月

659万円

(イ)12月から翌年2月ころまでは,中央競馬の主要レースが少なく,原告の業界の閑散期であり,
逆に3月から6月ころは,
主要レースが多く,
いわゆる書き入れ時である。
原告は,平成17年10月の営業開始から徐々に売上げを伸ばし,平成18年秋のGⅠシーズン以降,比較的高い水準で売上げを維持していたが,平成19年春ころから,急激に売上げが落ち込んだ。
この平成19年4月以降の売上げの落ち込みと,被告らの上記イないしエの不正競争行為とが,因果関係を有することは明らかである。(ウ)平成18年10月から平成19年3月までの月次売上高の平均は804万6583円であるのに対し,平成19年4月から同年6月までの月次売上高の平均は528万1666円であるから,その差額は276万4917円である。
被告らの不正競争行為によって日々発生している営業損害は,少なく
とも1年以上継続することが確実であるから,
原告が被った営業損害は,
3317万9004円=276万4917円/月×12か月)

である。
原告は,被告らに対し,上記営業損害のうち,500万円の支払を求める。
(エ)被告らは,日本中央競馬会(以下JRAという。
)のホームペー
ジにおける記載を理由に,被告らの不正競争行為と原告の売上減少との間の因果関係を否定する。
確かに,原告が,平成18年6月に,有限会社中央競馬総研から株式会社農林水産投資協会に商号を変更したところ,1か月も経過しないうちに,JRAのホームページに,ご注意!・・・中略)
(・・・(株)農『林水産投資協会』と題するページが掲載されたが,原告は,会社のイメージに与える影響を考慮し,同年11月ころから,商業登記上の商号は変更しないものの,顧客宛のダイレクトメールなどにおいては,すべて株式会社NSKと表示を変更していた。
したがって,顧客との関係では,被告が遅くとも上記ページが掲載されていたと主張する平成19年3月8日の時点で,株式会社農林水産投資協会と原告を結びつけるものは何ら存在しないのであるから,この点についての被告らの主張は失当である。
【被告らの主張】
(ア)損害の発生及び額については争う。
(イ)原告の月次売上高は知らない。
(ウ)原告の商号は,平成19年6月13日まで,株式会社農林水産投資協会であったところ,JRAは,遅くとも平成19年3月8日には,ホームページにJRAからのお願い」
との項目を設け,ご注意!・・・中「(略)・・・(株)農林水産投資協会』と題し,最近,『・・・中略)(・・・『(株)農林水産投資協会』などと名乗る団体が発送したダイレクトメールをJRAにおいて入手しましたが,この団体はJRA及びJRAの関係団体とは,まったく関係のない団体であり,ダイレクトメールの内容も事実無根の事柄がほとんどであります。ファンの皆様方におかれましては,このようなダイレクトメールに騙されることのないようくれぐれもご注意くださいと呼びかけた。したがって,平成19年4月以降の原告の売上げの減少が,当該ホームページの影響によるものであることは明白であり,仮に,被告らに不正競争行為があったとしても,
原告の売上減少との間に因果関係はない。
(エ)また,村上投信も,ホームページ上でそのあやしさを指摘されているし,野村投資コンサルティングについても,野村證券株式会社のホームページで注意が呼びかけられている。このように,原告グループが各ホームページで攻撃されていることが,原告の営業上の閉塞に影響を与えていることは明らかであり,この点からも,原告の売上減少は,原告自身の存在に基づくものというべきである。
(2)被告らによる不法行為の有無

被告らによる備品等窃取行為の有無(争点2-ア)

【原告の主張】
被告らは,平成18年9月ころから同年12月25日ころまで,及び平成19年2月ころから同年5月22日ころまでの間,継続的に,原告及び村上投信の共有物(持分は,それぞれ2分の1。である以下の備品等を窃)
取した。
プリンター用トナー(TN25-J)

50本以上

A4コピー用紙(500枚入り)

約720束

CD-ROM(ラベルマイティ」のもの)
1枚シール貼り付け器(ヤマト運輸株式会社からのレンタル品)1個顧客の住所,氏名が記載された名簿及びシール平成18年中においては,被告ら及びC各人が,平成19年中においては,被告ら及びCが共謀の上,主にCが,窃取の実行行為を行った。【被告らの主張】否認する。ただし,Cが,平成19年1月ころから約1か月の間において,プリンター用トナー3ないし4本を,断続的にどこかから調達し,被告らに交付したことはあるが,それが原告から窃取したものであるかどうかは知らない。イ損害額(争点2-イ)【原告の主張】被告らが窃取した原告及び村上投信の備品等の被害額は,以下のとおりである。プリンター用トナーA4コピー用紙34万円=6800円×50本)(28万8000円=400円×720束)(CD-ROM1万円合計63万8000円【被告らの主張】争う。第31争点に対する判断争点1-ア(顧客名簿は営業秘密に該当するか)について(1)不競法における「営業秘密は,秘密として管理されている生産方法,販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって,公然と知られていないものをいうと規定され,秘密として管理されている」こと

(秘密管理性)が要件とされている(同法2条6項)。そして,「秘密として管理されている

というためには,①当該情報にアクセスした者が,当該情報は営業秘密であると,客観的に認識できるようにしていること,②当該情
報にアクセスする者が制限されていること及び③そのための組織的な管理が行われていることが必要であると解される。
(2)この点,Dの陳述書(甲16,以下D陳述書という。には,どの営業)
所においても,会員名簿については,Dが使用するパソコンに電子データとして保管し,当該パソコンはDのみが管理する暗証番号でロックを掛けていた,一般名簿については,営業活動のためプリントアウトしたものを従業員に預けているとき以外は,Dの自宅に持ち帰ったり,施錠した社長室で保管していた,との記載がある。
しかしながら,Cの陳述書(甲9,以下C陳述書という。には,新し)
く入ってきた顧客名簿(当該記載は,一般名簿の趣旨と解される。を,その)
都度事務所でコピーし,
被告らに渡していたこと,
原告従業員Eの陳述書甲

10,以下E陳述書という。には,会員名簿は,基本的にはDが管理し)
ているものの,金庫等に保管されているわけではなく,その気になれば持っていける状況にあったことや,平成18年10月の引越し作業の際に,被告Bが,会員名簿を発見し持ち去ったのを目撃したこと,Cが,Dのパソコンから名簿を取っている,Dや原告代表者が不在の際は誰でも取れる旨を話していたこと,
村上投信従業員Fの陳述書(甲11,
以下F陳述書」
という。)には,Cが,簡単に名簿を持っていけると自慢していたことなど,上記D陳述書において記載されている原告の顧客名簿の管理状況と矛盾する内容が多数記載されていることに照らせば,上記D陳述書における当該記載部分を採用することはできないというべきである(なお,上記C,E及びFの各陳述書は,被告らによる不正競争行為等の立証のために原告により提出されたものであり,その内容は,後記3(3)のとおり,必ずしもすべてが信用できるものとは言い難いが,原告内における顧客名簿の管理状況に関しては,当該陳述書の記載内容からみて客観性が高く,信用性を有するものと認められる。。)そして,そのほかに,会員名簿及び一般名簿につき,当該情報にアクセスした者が,当該情報は営業秘密であると,客観的に認識できるようにしていることや,当該情報にアクセスする者が制限されていること,そして,そのための組織的な管理が行われていることを認めるに足りる的確な証拠はない。そうすると,会員名簿及び一般名簿が,秘密として管理されていると認めることはできないから,当該各名簿は,その余の要件について検討するまでもなく,不競法2条6項の「営業秘密に該当するとはいえない。(3)したがって,争点1-イ及び1-ウについて,認定,
判断するまでもなく,
被告らの行為が,不競法2条1項4号所定の不正競争行為に該当するとの原告の主張を採用することはできない。
2
争点1-エ(原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し,又は流布する行為の有無)について
(1)原告は,被告らが,その顧客らに対し,本件告知事実を電話で告知するなどしたと主張する。
(2)この点,被告らが,本件告知事実を告知又は流布したことを直接認めるに足りる証拠はないが,D陳述書には,原告の従業員が,会員から,タワー投資ファンドや三井投資センターなる名称の会社が,農林水産投資協会,NSK,村上投信,野村投資コンサルティング等の実名を挙げ,全く予想の的中

しない悪徳予想屋である。,

一度,会員になると脅迫されて脱会できない。,倉庫で営業している。という噂を流していると聞いたと,上記主張

に沿う記載があり,E陳述書における,会員から

おたくは倉庫で営業しているのか。,タワー投信という情報会社から聞いた。と言われたことがあ

るとの記載は,D陳述書の上記記載に一部合致するものである。
しかしながら,D陳述書の当該記載部分は,原告従業員からの伝聞であって,そもそも内容の正確性に疑問がある上,E陳述書には,会員から,原告
が倉庫において営業しているとタワー投信という情報会社から聞いたことのみが記載されているにすぎず,そのほかに,原告従業員が,会員等から,原告に関し,全く予想の的中しない悪徳予想屋だ。,一度,会員になると脅

迫されて脱会できない。という本件告知事実を聞いたことをうかがわせる証

拠はない。
(3)なお,被告らが株)タワー投資ファンド株)三井投資センター(
,(
等の名義で作成,頒布したパンフレット(甲1ないし3)には,(前略)・・・,現存する競馬情報会社では,・・・中略)(・・・,詐欺まがいの情報会社が大多数を占めており・・・後略),有名な企業の会社名やJRA関係者(の名前を利用し巧みに一般競馬ファンを騙す甲1)等,いわゆる悪徳競馬(
情報業者が多数存在する旨が記載されている。
しかしながら,これらのパンフレットには,直接的,具体的に原告の商号等は記載されておらず,JRAが,『JRAと関連のある団体である』『J,RA○×室』○△馬主会』○×厩務員組合』○□調教師会』などと称し,『『『実際には存在しない団体から極秘の情報提供を得ていると広告・宣伝をして,会員を募集している悪徳な予想・情報提供業者がいる旨注意を呼びかけていること(乙1)からすると,原告以外に,競馬情報提供を行っている会社や,著名な企業名,又はJRAと関連があるかのような名称を用いている会社が複数存在するものと推認されるから,上記パンフレットの記載内容が原告を対象とするものであると,間接的に特定し得るということもできない。
そうすると,被告らが,上記パンフレットを作成,頒布していたことをもって,被告らが,その顧客らに対し,本件告知事実を告知したことを推認することはできないというべきである。
(4)よって,その余の事実について認定,判断するまでもなく,被告らの行為が,不競法2条1項14号所定の不正競争行為に該当するとの原告の主張は
理由がない。
3
争点2-ア(被告らによる備品窃取行為の有無)について
(1)証拠(甲5,6,9ないし11)によれば,Cは,平成18年11月ころ,原告所有のコピー用紙を,平成19年2月初めころ,原告所有のプリンター用トナーを,それぞれ窃取したことが認められる(もっとも,その数量を具体的に認めるに足りる証拠はない。。

(2)また,C陳述書には,被告らは,平成18年11月ころから,原告の備品であるコピー機のトナーやコピー用紙,ヤマト運輸のシール貼付器を持ち出していた5項)Cは,


被告らに命令されてコピー用紙を持ち出した5項)


被告らは,顧客名簿をコピーして持ち帰っていた(6項)Cは,村上投信に,
再入社する際には,被告Bから,引き続き,事務所の備品や顧客名簿を流すよう命令されていた(9項)旨が記載されており,また,E陳述書及びF陳述書には,被告らが,Dや原告代表者が不在の際に,プリンター用トナーやコピー用紙を持ち出したり,平成18年10月の引越しの際に,被告Bが会員名簿を持ち去ったのを目撃した,
とそれぞれ原告の主張に沿う記載がある。
(3)しかしながら,C,E及びFは,いずれも原告又は村上投信の従業員又は元従業員であるところ,そのような原告と一定の利害関係を有する者が作成した陳述書以外に,被告ら自身による窃取行為や,Cの窃取行為に関する共謀があったことを認めるに足りる客観的な証拠は何ら存在しないことに加え,被告らは,原告の備品等を窃取したことを明確に否定していること(乙11,12)にかんがみれば,C陳述書,E陳述書及びF陳述書の上記各記載部分を直ちに採用することはできない。
(4)そして,そのほかに,被告らによる備品窃取行為を認めるに足りる的確な証拠はないから,この点についての原告の主張を採用することはできないというべきである。

4
よって,その余の事実について,認定,判断するまでもなく,原告の請求は
いずれも理由がないことに帰する。
第4

結論

以上の次第で,原告の請求は,いずれも理由がないので棄却することとし,訴訟費用の負担につき,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第29部

裁判長裁判官

清水
裁判官

國分隆文
裁判官

間明宏充節
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