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損害賠償請求事件
事件番号平成18(ワ)2736
事件名損害賠償請求事件
裁判年月日平成19年9月11日
裁判所名・部京都地方裁判所  第2民事部
判示事項の要旨証券会社の顧客である原告が,証券会社の社員から特別に有利な投資があるとの勧誘を受け,投資資金として当該社員の指定する振込先へ200万円を送金したが,実際には,証券会社の業務とは無関係に当該社員が仕組んだ詐欺であった。原告が200万円の損害について証券会社の使用者責任を追及したのに対し,本判決は,証券会社の責任を認めつつ,原告の過失も大きいとして,証券会社に55万円の賠償を命じた。
裁判日:西暦2007-09-11
情報公開日2017-10-17 20:47:02
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事件番号

:平成18年(ワ)第2736号

事件名

:損害賠償請求事件

裁判年月日

:H19.9.11

裁判所名

:京都地方裁判所


:第2民事部

結果

:一部認容

登載年月日



判示事項の要旨



証券会社の顧客である原告が,証券会社の社員から特別に

有利な投資があるとの勧誘を受け,投資資金として当該社員
の指定する振込先へ200万円を送金したが,実際には,証
券会社の業務とは無関係に当該社員が仕組んだ詐欺であった。
原告が200万円の損害について証券会社の使用者責任を追
及したのに対し,本判決は,証券会社の責任を認めつつ,原
告の過失も大きいとして,証券会社に55万円の賠償を命じ
た。
主1文
被告は,原告に対し,55万円及びこれに対する平成18年9月20日から支払済みに至るまで年5%の割合による金員を支払え。

2
訴訟費用はこれを4分し,その3を原告の,その余を被告の負担とする。
3
この判決は仮に執行することができる。
事実及び理由

第1

請求
被告は,原告に対し,239万9160円及びこれに対する平成18年9月20日から支払済みに至るまで年5%の割合による金員を支払え。

第2
1
事案の概要
本件訴訟の概略

被告は証券会社であり,原告はその顧客である。原告は,被告の従業員の勧誘に応じて,200万円を同従業員の指定した銀行口座に投資のため振込送金したが,同従業員の勧誘行為は個人的に行われたものであり,原告の送金した200万円は同従業員によって費消された。本件訴訟は,原告が,同従業員の不法行為によって200万円の損害を被ったことについて,被告の使用者責任を主張して賠償を求める事案である。
2
前提事実
当事者間に争いのない事実及び証拠により容易に認められる事実は,以下のとおりである。
なお,証拠を示さない事実は当事者間に争いがない。また,月日で年を示さないものは,平成18年である。
(1)原告は,平成14年3月15日に被告のa支店に口座を開設し,株式,債券,投資信託等の売買取引等を行っていた。a支店における原告との取引に関する被告の担当者はAであった。
(2)平成18年9月18日(敬老の日)
,Aはa支店から原告宅に架電して新規の
投資(以下本件投資という。
)を勧め,送金先としてB有限会社
(以
下B社という。
)の銀行口座を指定した。
(3)原告は,9月19日,B社の銀行口座に199万0160円(200万円から送金手数料840円を差し引いた額)を送金した(甲4)

(4)10月5日,Aの担当していた顧客からa支店に対して,Aが無断売買をしたとの苦情が寄せられたのを契機として,被告は,Aの担当顧客の取引について調査を行った。その結果,Aは無断売買やB社への投資の勧誘などの違法又は不当な取引を,多数の担当顧客について継続的に行っていたことが判明した(12月19日付け近畿財務局長宛て報告書【乙4】。


(5)被告は,10月23日付けでAを懲戒解雇した。
(6)原告がB社の銀行口座に送金した200万円については,被告及びB社のい
ずれからも,原告に対する返金は全くなされていない。
3
争点
(1)Aの前記各行為が,外形からみて使用者の事業の範囲内に属するものと認められるか。
(2)前記各行為がその外形からみて被告の事業の範囲内に属すると認められる場合,原告に,それがAの職務権限内において適法になされたものではないことにつき悪意又は重過失があったといえるか。

4
原告の主張
(1)顧客に対して有望な投資先を推奨する行為は,証券会社の事業活動の一環であるから,Aが本件投資を勧誘したことは,その外形からみて,使用者たる被告の事業の範囲内に属する。
(2)原告は,本件投資の勧誘がAの被告従業員としての職務の範囲外でなされた私的活動であると認識していたわけではないので,原告は悪意ではない。また,以下の事情に照らせば,原告に重過失があったともいえない。①

Aは,勧誘の電話を,被告のa支店からかけてきた。当日は祝日であったが,多忙な証券会社の従業員が休日出勤をするのは特段珍しくはない。


Aは,それまでの通常の取引においても,有望と思われる投資先があれば,確実に利益が出る等の文言を使って投資の勧誘をしていた。



被告の従業員が不正行為を起こしたという情報はなく,被告からの特段の注意喚起もなかった。



証券会社は,証券の売買の仲介をするのみならず,有望な投資先を見付け出すことも業務内容の範囲内であるから,投資先の口座に直接送金することも有り得ないではない。



送金先等を指示するファックスはa支店から送付されており,正常な取引に際して送付されるものと同じ体裁である。



顧客としては,投資による利益の有無・程度が最大の関心事であり,送
金方法等にまでは関心がないのが普通であるから,証券会社の担当者の指示があれば疑問を持たずに従うのは当然である。
5
被告の主張
(1)証券会社を通じた取引においては,金銭の授受は顧客が証券会社に開設した口座を通じて行うものである。B社に直接振込みを行うというB社への投資の勧誘は,その外形からみて,使用者たる被告の事業の範囲内に属さない。(2)以下の事情に照らせば,原告は悪意であったか,少なくとも重過失があったというべきである。


原告は,証券取引の豊富な経験を有し,みずからも長年にわたり会社を経営してきた人物であるから,証券取引において確実に利益の出る取引など存在しないことを十分に理解していたはずである。特に,Aが電話での勧誘において確約したという月10%の利率は,非常識に高い不自然なものであるから,本件投資が証券会社たる被告の扱う取引としての実態を何ら有しない架空のものであることは,容易に判断できたはずである。


原告は,正常な取引については,被告が開設した銀行口座に送金を行ってきた。このような中で,投資先であるB社の銀行口座に直接送金をしたことは,原告自身,被告を通じた証券取引のための金員授受でないことを知っていたか,知らなかったとしてもわずかな注意を払えば知りえたはずであることを示している。

第3
1
当裁判所の判断
前記前提事実並びに証拠(甲1∼13,乙1∼9,A証人,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,本件の経緯は以下のとおりであると認められる。(1)原告は,昭和3年12月5日生まれの男性であり,父親が創業した株式会社C商店(以下会社という。
)の経営を引き継ぎ,繊維全般の原料商を営
んでいた。平成12年に脳梗塞を患ったのを契機に社長職を長男に譲ったが,それ以降も現在に至るまで,基本的には毎日会社に出勤している。【原告本

人】
(2)原告は,平成3年9月30日,被告のb支店に保護預り口座を開設した。口座設定申込書【乙6】に記入をしたのは原告の妻のDである。b支店での取引は平成7年1月まで行われ,実際の取引をしていたのはDであった。【原
告本人】
(3)Aは,平成11年4月に被告会社に雇用され,a支店に配属された。Aは,新規の顧客を開拓するため,既に閉鎖されていたb支店の顧客台帳を見て原告の名前を知り,原告の自宅に週に2,3度電話をすることを続け,a支店での取引開始を熱心に勧誘した。同年12月に至り,Aが東京三菱銀行の債券を紹介したところ,同銀行は会社の取引銀行であったことから,原告はこれを購入することにした。
【A証人,原告本人】
原告は,この取引のために,平成11年12月21日,会社名義の保護預り口座を被告のa支店に開設した【乙7】
。口座設定申込書の作成等の手続は,会
社の事務所において,原告自身が行った。
【A証人】
同口座を利用した取引は,東京三菱銀行の上記債券のほかには,1件だけであった。
【A証人】
(4)平成13年2月5日にDがa支店で保護預り口座を開設し,いくつかの取引を行った。
【A証人】
(5)平成14年3月15日にはa支店で原告名義の保護預り口座が開設された。口座設定申込書等は,Aが原告の自宅でDに用紙を渡し,後日,署名や押印がされたものをDから受け取った。その後,証券の購入資金として現金を預かる等の用事でAが原告宅を訪問した際も,応対するのは常にDであった。【A証人】
(6)原告名義の取引の内容を,平成17年10月から平成18年3月までについてみると,下記の10種類の証券ないし金融商品について取引が行われている。【乙2の1∼4】


野村MRD
セイコーエプソン
ファナック
イー・トレード証券
グリーンホスピタルサプラ
ユービーエス1.0ニュー
データプレイス
シライ電子工業
シュローダー月果美人
アトリウム
(7)原告名義の取引のうちには,AがDと話をすることによって進めていったものもある。
【A証人】
(8)Aは,原告に無断で,原告名義で,平成18年3月13日に,シライ電子工業の株式1000株を単価1462円で買い付け,3月16日にこれを単価1312円で売却し,これによって17万9768円の損失が発生した。この無断売買によって原告が被った損失について,Aは,後日,原告の銀行口座に当該金額を振り込んで補填をした。
この無断売買の事実は,Aの上司等の知るところとはならなかった。しかし,原告は,Aの上司等は当然これを知っているものと考えていた。【乙2
の4,原告本人,A証人】
(9)Aは,平成14年3月ごろから,複数の顧客について,無断売買や取引一任勘定取引等の不正な取引をしていたが,平成18年5月ごろからは資金の手当に窮して,さらに多様な不正行為に手を染めるようになった。
その一つが,B社への投資という名目によるものであった。B社は,Aが個人で投資顧問的な業務をするべく設立していた会社であったが,顧客に対して,資金をB社で運用することにより極めて高い利回りが得られる旨を説明し,B社の銀行口座に直接に金銭を振り込ませていたものである。実際には,B社は何ら資金の運用を行っておらず,B社に振り込まれた顧客の金銭は,Aの他の顧客への損失補填等に充てられることの繰り返しであった。
【乙4報告書,乙5の1,A証人】
(10)平成18年9月18日(敬老の日)
,休日であったがAはa支店に出社した。
顧客の1人に対する支払期限が目前に迫っていたので,原告からもB社への
投資という名目で金銭を詐取しようと考え,原告宅に電話をした。原告は在宅しており,電話に出た。
Aは原告に対し,1ヶ月で10%の利益が上がる投資先があると説明し,1口100万円で2口投資するよう勧誘した。これに対し,原告は最初は1口のみ応じると答えて電話を切ったが,Aの再度の電話を受けて,結局は2口の投資に応じることにした。
Aは,原告を勧誘するに際して,B社の名前を出していないが,被告と関係のある投資先であるかのごとく装った。原告は,上記(8)の無断売買で迷惑を被ったことを思い出し,Aがこの迷惑を償う気持ちから,有利な投資先を特別に原告に対して紹介しているのであろうと考えた。
【原告本人,A証
人】
(11)Aは,原告が投資に応じてくれることになったので,同日午後7時30分ころ,振込先としてB社名義の銀行口座の口座番号等を記載した書面【甲2】を原告にファックスで送信した。甲2書面はa支店のファックス機から送信されたので,原告が受信した紙の欄外にはE株式会社a支店と印
字されている。
(12)原告は,9月19日,200万円から送金手数料840円を差し引いた199万9160円を,甲2書面に記載されたB社名義の銀行口座に振り込み送金した。【甲
4】
(13)Aは,9月22日ごろ,B社名義の9月19日付け御預証【甲13】を作成
して原告に交付した。金額欄には,200万円の投資に対して10%の利回りを付した額として,220万円と記載した。
【A証人】
(14)10月5日,Aの担当していた顧客からa支店に対して,Aが無断売買をしたとの苦情が寄せられたのを契機として,被告は,Aが担当する取引について調査を行った。その結果,Aは無断売買やB社への投資の勧誘などの違法又は不当な取引を,多数の担当顧客について継続的に行っていたことが判
明した。
Aの不正行為による被害を受けた被告の顧客のうち,B社への投資の勧誘を受けた者は20∼30名程度である。
【乙4報告書,A証人】
(15)原告がB社の銀行口座に送金した200万円については,被告及びB社のいずれからも,原告に対する返金は全くなされていない。
【甲8】
2
上記認定事実に基づき争点について判断する。
(1)上記認定事実からすれば,Aが原告にB社への200万円の送金をさせたことは,投資資金名下に原告から金銭を詐取したのにほかならないと評価すべきであり,被告の事業の執行として行われたものではない。しかし,証券会社の行う業務には有価証券に関連する情報の提供又は助言が含まれること(証券取引法34条9号)や,Aが被告の従業員として長期間にわたり原告との取引を担当してきたことを考えれば,Aの所為は,客観的,外形的にみて,被告の事業の執行の範囲内に属するものと認めることができる。ただ,被用者の取引行為が,その外形からみて使用者の事業の範囲内に属するものと認められる場合であっても,それが被用者の職務権限内において適法に行われたものではなく,かつ,相手方がその事情を知り,又は少なくとも重過失により知らないものであるときは,その相手方は使用者に対して,民法715条に基づいてその取引行為による損害の賠償を請求することができないと解すべきである(最高裁昭和42年11月2日第一小法廷判決・民集21巻9号2278頁)
。そして,ここにいう重過失とは,相手方において,わずかな
注意を払いさえすれば,被用者の行為がその職務権限内において適法に行われたものではない事情を知ることができたのに,漫然これを職務権限内の行為と信じ,もって,一般人に要求される注意義務に著しく違反することであって,故意に準じる程度の注意の欠缺があり,公平の見地上,相手方に保護を全く与えないことが相当と認められる状態をいうものと解される(最高裁昭和44年11月21日第二小法廷判決・民集23巻11号2097頁)。

そこで,原告がB社に対して200万円を送金した当時,原告に上記のような重過失があったかどうかについて,以下検討する。
(2)上記1の認定事実及び後掲各証拠によれば,原告の落ち度として,次の点を挙げることができる。


Aが原告に対して説明した投資の内容は,約1か月という短期間に,投資資金に対して1割の確定的な利益が得られるというものであった。これは,現今の低金利の時代において異常ともいうべき高利回りであるが,そのような利回りを得るための運用の方法について具体的な説明は何らなされていなかったのであるから,原告としても疑問を抱いて然るべきである。特に,原告は,長年にわたり会社を経営してきた人物であり,a支店に自己の個人名義の口座を設けて取引を開始した時点から起算しても4年程度の経験を有していたのであるから,証券取引において確実に利益の出る取引など存在しないことを十分に理解していたはずである。



それまでの証券取引において原告が被告に金銭を払い込む際は,被告名義の銀行口座に送金するか,現金をAに渡して被告名義の領収証を受け取るという方法をとっていた(乙1,乙9)
。B社名義の銀行口座への直接
の振込みや,B社名義の御預証
(甲13)の発行という方法は,初めて
とられたものであり,原告としても疑問を抱いて然るべきである。


本件投資の勧誘が行われた9月18日は国民の祝日であり,被告の休業日である。

(3)しかしながら,以下の点に照らすと,上記(2)の事情だけから,原告に重過失(故意に準じる程度の注意の欠缺)があり,公平の見地上,保護を全く与えないことが相当と認められる状態にあったとまで認めるには足りないというべきである。

Aは,本件投資の勧誘のため原告に架電した際,被告と関係のある投資先であることを匂わせていた。そして,Aの同種の勧誘によって被害を受
けた顧客が20∼30名程度というかなりの多数に上っていることからすれば,原告が特別に不注意だったということもできない。

原告は,3月の無断売買によって被った迷惑の埋め合わせとして,特別に有利な本件投資の話をAが特に原告に対して持ちかけてきたものだと感じた。そして,3月の無断売買の件から既にほぼ半年を経ており,無断売買の事実は既にAの上司も知るところとなっているであろうと原告が考え,本件投資の勧誘もAの独断で行っているものではないと判断するのも無理からぬところがある。


Aは被告のa支店から架電しており,振込先を指示する書面(甲2)もa支店のファックス機を使って送られている。
この点につき,被告は当日が被告の休業日であることを指摘するが,金融機関の従業員が多忙のため休日出勤をすることもあり得なくはない。また,甲2書面の本文には被告の名称は現れていないが,欄外には被告a支店からのファックス送信を示す文言が印字されており,原告は類似の様式のファックスを以前の正常な取引についても受領したことがあった(甲3)
。これらの事情に照らせば,原告が特段の疑問を持たなかったとしても不思議ではない。


原告は,会社経営については長年の経験を有していたが,個人として証券投資をするようになったのは平成14年ごろからにすぎない。なお,b支店における取引(平成3年から7年まで)は,Dが行っていたものであって,原告は実質的に関与していなかった。


Aが不正行為を行った期間はかなりの長きにわたっており,隠蔽工作も特に手の込んだものではなかったにもかかわらず,被告は,顧客からの具体的な苦情を受けるまで覚知することができなかった。これは,多数の顧客との取引を一介の営業社員にすぎないAに任せ切りにするなど,被告の内部管理体制の不備に起因するものであり,顧客の財産を預かることを業務とする証券会社として,あるまじき不祥事である。
特に,被告は,事故の早期発見の観点から,平成14年4月には人事交流を行っており,平成17年3月までに人事異動を行うという方針を定めていた(乙4報告書の8頁)
。しかるに,Aは平成11年4月から7年以上にわ
たってa支店に配属されたままであり,このことが本件の不祥事に至る重大な要因をなしているものである。
(4)したがって,被告は,Aの不法行為によって原告が被った損害について,使用者として賠償責任を負うこととなる。
もっとも,上記に認定したところに徴すれば,原告は,会社の経営者として一般人以上の社会的判断能力や経済常識を有しており,しかも,証券取引について一定の経験,知識を有していたということができる。しかるに,原告は,本件投資の勧誘に応じるにあたって,投資の対象について詳しく理解することもなく,確実に利益が生じるなどといったAの説明に対して過大な信頼を寄せ,他人任せの態度で安易に利益を得ようと考えて,Aの勧誘するままに200万円を送金した。原告のこのような軽率,安易な態度がAの不法行為を可能ならしめる一因となったことは明らかである。したがって,原告にも,本件投資に応じたことによる損害の発生について4分の3の過失割合があるとみるのが相当である。
なお,被告は当審において明示の過失相殺の主張を行っていない。しかし,当審において過失割合について判断する上で必要な事情として特段新たに主張立証すべきものはなく,弁論の再開をするまでもないことを勘案し,黙示の過失相殺の主張があったとみなすこととした。
(5)よって,原告が送金した200万円(正確には送金手数料を除いた199万9160円)と,本訴追行を余儀なくされたことによる弁護士費用相当額20万円の合計額に対し,4分の3の原告の過失割合を控除して,55万円をもって被告が賠償すべき損害額と定める。
3
以上の次第で,原告の請求は55万円及びこれに対する不法行為の日の後からの民法所定の遅延損害金を求める限度で理由があるから一部認容し,訴訟費用の負担について民事訴訟法61条,64条を,仮執行の宣言について民事訴訟法259条1項を適用して,主文のとおり判決する。

京都地方裁判所第2民事部

裁判官
上田卓哉
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