判例検索β > 平成16年(わ)第961号
殺人未遂、監禁
事件番号平成16(わ)961
事件名殺人未遂,監禁
裁判年月日平成18年7月21日
裁判所名・部神戸地方裁判所  第1刑事部
判示事項の要旨殺意否認,共謀否認,暴行の共謀一部否認,監禁罪の成立否認,幇助主張,共犯関係からの離脱(すべて排斥)
裁判日:西暦2006-07-21
情報公開日2017-10-13 01:39:38
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主文
被告人Aを懲役11年に,被告人Bを懲役6年に,被告人Cを懲役8年6月に,被告人Dを懲役4年に,被告人Eを懲役4年に処する
被告人らに対し,未決勾留日数中各440日を,それぞれその刑に算入する。
被告人Cから,押収してある金属バット2本(平成16年押第102号の1及び2)を没収する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人ら5名は,いずれも暴走族Fの構成員であり,平成16年6月5日,被告人A,同D及び同Eが,兵庫県丹波市a町bc番地d所在の居酒屋Gで飲食した際,隣席で飲食していたH,I及びJらから,被告人らをFの構成員と知って声高に同会の悪口を言われるなどしたことから,これに憤激したAが,同会の構成員であるK,L,被告人B及び同Cを呼び出し,ここに,被告人ら5名並びにK及びLが同店前に集まったものであるが
第1

被告人ら5名は,H,I及びJに制裁を加えるに当たり,同人らが死亡するかもし
れないがそれでも構わないと決意し,K及びLと共謀の上
1
同日午後9時50分ころ,G前駐車場において,H(当時31歳)に対し,B,
A及びLが,その全身を多数回にわたって手拳で殴打し,足で蹴るなどの暴行を加え,さらに,同日午後10時10分ころ,同町ef番地g所在のM橋西詰め先路上において,Aが所携の刃物様のものでHの顔面及び左大腿部等を切り裂き,突き刺すなどしたが,同人に入院加療77日間を要する顔面,左上腕及び左大腿刺傷,左眼窩底骨折,右第9肋骨骨折並びに左膝窩動脈外傷性仮性動脈瘤等の傷害を負わせたにとどまり,同人を殺害するに至らなかった。
2
同日午後9時50分ころ,G前駐車場及び同町ij番地k所在の株式会社N店敷
地内において,I(当時29歳)に対し,C,K,A及びEが,所携の金属バットを用いるなどして,その全身を多数回にわたって殴打し,足で蹴るなどの暴行を加え,さらに,同日午後10時10分ころ,上記M橋西詰め先路上において,Aが所携の刃物様のものでIの両上腕及び両大腿部等を突き刺すなどしたが,同人に入院加療約41日間を要する頭部挫滅創,右第8・9肋骨骨折,肝損傷及び両大腿両上腕刺創等の傷害を負わせたにとどまり,同人を殺害するに至らなかった。
3
同日午後9時50分ころ,G前駐車場において,J(当時29歳)に対し,A,
L,D及びEが,所携の鉄パイプを用いるなどして,その全身を多数回にわたって殴打し,足で蹴るなどの暴行を加え,さらに,同日午後10時10分ころ,上記M橋西詰め先路上において,Aが,所携の刃物様のものでJの前額部及び右大腿部等を突き刺すなどしたが,同人に加療約24日間を要する前額部,右大腿部刺創,上門歯損傷,外傷性頸部症候群及び左肋骨右大腿打撲の傷害を負わせたにとどまり,同人を殺害するに至らなかった。第2

被告人ら5名は,H,I及びJを不法に監禁しようと企て,K及びLと共謀の上1
同日午後10時ころ,G前駐車場において,Hを同所に駐車中のL運転の普通乗
用自動車の後部座席に押し込み,直ちに同車を発進させ
2
同日午後10時ころ,N敷地内において,Iを同所に駐車中の上記普通乗用自動
車の後部トランク内に押し込み,直ちに同車を発進させ
3
同日午後10時ころ,G前駐車場において,Jを同所に駐車中のC運転の普通乗
用自動車の後部座席に押し込み,直ちに同車を発進させ
上記各普通乗用自動車を上記M橋西詰め先路上まで約6.9キロメートル疾走させ,同日午後10時10分ころまでの約10分間にわたり,H,I及びJを上記各自動車後部座席内又は後部トランク内に閉じ込めて脱出することを不能ならしめ,もって,同人らをそれぞれ不法に監禁した。
(証拠の標目)―括弧内の甲,乙に続く数字は検察官請求証拠番号―省略
(事実認定の補足説明)
1
本件各犯行について,
(1)被告人ら5名の各弁護人は,
いずれも判示第1の各犯行につ

いて,各被告人には殺意及び殺人の共謀がなく,傷害罪が成立するにとどまる,(2)B,C及びDの各弁護人は,M橋付近での暴行は共謀の範囲に含まれない,(3)Dの弁護人は,Dは判示第2の犯行について監禁罪の罪責を負わない,
(4)Eの弁護人は,
Eの本件各犯行に
ついての罪責は幇助にとどまる,
(5)同弁護人は,
Eは共犯関係から離脱した旨主張してい
るので,当裁判所がこれらの主張をすべて排斥した理由について補足説明する。2
関係各証拠によれば,以下の事実を認めることができる。
(1)

被告人らのうちA,
D及びE並びにOが,
本件事件当日の午後7時ころからGで飲

食を始めたところ,隣席で飲食していたH,J及びIらが,前記Fが他の暴走族につぶされたとか,その統率者であったAが何もしなかったとかの発言をするなど,Aらを挑発するような悪口を声高に口にしたことから,これを聞いたAは,激高してHらに制裁を加えようと企て,凶器を持ってG前に集まるよう,B,C,L及びKに直接又は間接に連絡した。これに応じて,C及びKが金属バットを,Bが木製バットを,Lが鉄パイプを,さらに,Eも鉄製シノをそれぞれ携帯してG前に集合したところ,Aが,Hらの言動を呼び出された者らに伝えた上で,

いわしてしまえ。

などと言ってHらに攻撃を加えるよう指示したことから,各被告人らは,上記の凶器を手にするなどして,HらがGから出てくるのを待ち構えた。
(2)

Hは,
Gから出てきたところをBから手拳で顔面を殴打され意識を失って倒れ込み
,同人をかばおうとその上に覆いかぶさった交際相手の女性もたちまち引き離され,意識を失ったままの状態でB,A及びLらから顔面や腹部等を多数回殴打され,足蹴にされるなどした後,普通乗用自動車(車種P。以下Pという。の後部座席に積み込まれ,更)
にAから顔面を多数回殴打された。
Jは,Gから出てきたところをAから手拳で殴打され,意識を失って仰向けに倒れ込んだところを,Eから腹部を多数回蹴り付けられ,Lから腹部を鉄パイプで殴打され,Dからも足蹴にされた後,普通乗用自動車(車種Q。以下Qという。の後部座席に積)
み込まれた。
Iは,G駐車場においてCから金属バットで頭部を殴打されたため,N方向に逃げ出したものの,同店敷地内において,C及びKから金属バットで頭部を数回殴打されて頭から大量の出血を見たばかりか,

金属バットで頭部や腹部等を多数回殴打されて倒れ
込み,意識がもうろうとなった状態で逃れようとしたが,更に金属バットで腹部等を殴打された上,多数回足蹴にされて徐々に抵抗できなくなり,最終的には意識をほぼ失った状態になって,A,K,C,L及びEらによって,引きずられるようにしてPの後部トランク内に押し込まれた。また,Iに直接暴行を加えなかった被告人らにおいても,上記Iの状況を目撃するなどしていたが,特にこれを制止するようなことはなかった。(3)

I及びHを積んだPがR町方面に向かい,
Jを積んだQがその後方を追走していた

ところ,上記M橋付近において,HがPのドアを開けて逃げようとしたことから,両車両は停車した。Aは,所携の刃物様のものを用いて,Q後部座席にいたJの前額部及び右大腿部を突き刺し,車両から降りて正座させられていたHの左上腕部や左大腿部等を突き刺した上,顔面をえぐるようにして切り裂き,PのトランクにいたIの両上腕及び両大腿部等を突き刺すなどした(以下,これらをまとめて本件刺突行為ということがある。。)
(4)

上記暴行の結果,H,J及びIは前判示の各傷害を負ったが,Hは血液の約3分の
1が流出したため失血死の一歩手前の状態であり,Iの頭部の損傷は頭蓋骨が見えるほどのものであった。
(5)

なお,D及びEの弁護人は,D及びEの当公判廷における供述に沿って,Aから

いわしてしまえ。と指示されたことはなく,

Jに強度の暴行を加えたこともないなどと主
張する。しかしながら,上記指示を受けたことやJを強く足で蹴ったことなどを認めるD及びEの捜査段階の各供述は,①犯行時の心情を織り交ぜたもので,経験した者でなければ語り得ない迫真性に富んでいること,②Oの検察官調書における供述にも符合すること(なお,Oは,公判廷においては検察官調書における供述と相反する証言をしているが,その変遷について合理的な説明がないこと,D及びEと友人関係にあることなどにかんがみると,Oの検察官調書における供述は十分信用できる。,③Dにおいては調書の訂正を)
求めているなど,その当時のD及びEの供述がそのまま録取されているとうかがえることなどに照らして,その信用性は高いと認められる。これに対し,D及びEの当公判廷における供述は,合理的説明なしにその捜査段階供述を変遷,後退させていること,被害者に暴行を加えた理由について供述するところも当時の状況に照らして余りに不自然であることなどからして,到底信用することができない。
また,Bの弁護人は,Bの当公判廷における供述に沿って,その捜査段階供述は捜査官から暴行を受けるなどして押し付けられたものであるとして,その信用性に疑問があると主張する。しかしながら,①同被告人は,木製バットの所持の有無や犯行現場に向かった経緯などについて追及を受けながらも,自己の言い分を通すなどしている上,犯行当時の心情についても訂正を求めるなどしていること,②その内容も,他の被告人らの供述と大要において一致していること,③同被告人の公判廷における供述はあいまいである上,捜査官から供述を強制された事情を当時援助を受けていた弁護人に訴えなかった理由についても,何ら合理的な説明をしていないことなどに照らすと,Bの捜査段階供述は他の被告人らの供述と一致する限度で信用性十分であり,当公判廷における供述は信用することができない。
3
検討
(1)

以上の事実関係を前提に各殺人未遂の成否について検討すると,
①被告人らは,

に対し,殺傷能力十分な金属バット等を用いるなどして,その顔面や腹部など身体の枢要部に強度の攻撃を当初から繰り返し

加え,同人が徐々に無抵抗になり,その生命に対

する危険が現実化しつつあることに何ら意を払わず更なる暴行を加えているところ,本件犯行に至る経緯からすると,同人が最初の一撃で倒れることなく逃げ出している点を除けば,同人のみを特別に敵視するような事情はなかったこと,②H及びJに対しても,コンクリートの路面上に無防備な状態で倒れているところを多人数で鉄パイプ等を用いるなどしてところ構わず執ような暴行を加えていることなどに照らすと,被害者3名に向けられた攻撃意思は極めて強固で容赦のないものであったといわざるを得ない。以上の攻撃意思の強固さに加えて,本件犯行の動機ないし経緯,犯行前の集合状況やAによる指示の状況,更には,B,D及びEらの信用性十分な捜査段階供述
の内容

などをも併せ考慮すると,Aによる本件刺突行為を考慮の外に置いたとしても,最初にAが攻撃を指示した時点において,各被告人は,自己又は他の共犯者らにおいて殺傷能力十分な凶器で被害者3名に容赦ない暴行を加え,その結果生じるかもしれない被害者の死亡結果をも認容する旨意思を相通じていたとみるのが相当である。そして,上記事情に加え,被害者を車両に積み込んだ際の状況,M橋付近における暴行に至る経緯などの事情に照らすと,被告人らは人目につくG前から他の場所に各被害者を連行して更なる暴行を加えようとしていたと認められるから,各被害者を自動車に積み込んでからM橋付近までの間における各被害者に対する暴行も,上記共謀の範囲内と認めることができる。(2)

これに対し,各弁護人は,本件は計画的なものではないこと,その動機もFの悪口
を言われたことに対する制裁にすぎないこと,被告人らが集団暴行による一種の興奮状態にあったことなどを理由に,殺人の共謀は成立しないと主張する

。しかしながら,こ

れらの事情は,いずれも確定的な殺意を認定するに当たっての障害になり得る事情ではあるにせよ,そもそも本件はたまたま隣席で飲食していた被害者らの言動に端を発するものであって,特段の計画性や深刻な動機がないことはむしろ当然のことといえるから,上記認定を何ら左右するものではない。
(3)

B,
C及びDの各弁護人は,
被告人らの共謀はG付近における暴行が終了した時点

でその目的を達して解消されており,Aによる本件刺突行為はこれに含まれないと主張する。しかしながら,被告人らは,G付近における暴行に続いて各被害者をM橋付近まで連行し

た上,被害者から謝罪を受けるまで暴行を加え続けているのであるから,本件刺
突行為が行われるまでの時点で,被害者らに対して制裁を加えるという被告人らの所期の目的が達成された状況にはないから,上記共謀が解消されたなどとはいえない。(4)

Dの弁護人は,
Dは監禁の共謀も実行行為もしていないから,
監禁罪の罪責を負わ

ないと主張する。しかしながら,前記のとおり信用性十分なO供述によれば,DがAの指示を受けてJをQに積み込んでいることが認められるから,所論はその前提を欠くといわざるを得ない。
(5)

Eの弁護人は,
Eはいずれの犯行についても幇助の罪責を負うにとどまると主張す
る。しかしながら,Eは,Jを足蹴にし,Dと共にJをQに積み込むなど本件の実行行為の一部を行っており,Eのみが共謀の範囲外にあったとみるべき事情は何ら存しないから,本件各犯行について共同正犯の罪責を負うべきことは明らかである。上記主張は独自のものというほかない。
(6)

Eの弁護人は,
EがG前を離れた時点で共犯関係から離脱したと主張する。
しかし
ながら,Eは,上記のとおり,本件の実行行為の一部を担当しているところ,E以外の被告人らがG前から去った時点以降においても,当初の共謀に基づく実行行為の心理的,物理的な効果はなお残存しており,これを利用してなお犯行が継続される危険性が十分あったのに,Eはこれを何ら除去することなくG前から立ち去ったのであるから,共犯関係から離脱したなどとは到底いえない。
4
以上のとおり,各弁護人の主張はいずれも理由がない。

(法令の適用)
省略
(量刑の理由)
本件は,暴走族グループの構成員であった被告人らが,他の構成員らと共謀の上,被害者3名に対し,未必の殺意をもって金属バット等で頭部を殴打するなどの暴行を加えたが,殺害するに至らなかった殺人未遂(判示第1の1ないし3)及び被害者ら3名を自動車に押し込んで疾走させた監禁(判示第2の1ないし3)からなる事案である。(1)

各被告人に共通の情状
まず,殺人未遂について見ると,暴走族特有の論理から被害者らに容赦のない制裁を
加えようとした犯行動機には,酌量の余地が乏しい。金属バット等を用いて多数回にわたり一方的かつ執ように被害者の頭部等を殴打し,次いで,無抵抗の被害者らの腕や顔などを刃物で多数回突き刺すなどした犯行態様も,極めて危険かつ残忍である。また,被害者らはそれぞれ重篤な傷害を負わされている上,一部の者については,現在でも嗅覚障害などの後遺症が残っており,日常生活で様々な不便を強いられているなど,肉体的苦痛のみならず精神的苦痛にも甚大なものがある。また,監禁の違法性も小さいものではない上,多衆の威力を背景に苛烈で一方的な暴行に及んだ本件犯行が地域社会に与えた恐怖感や不安感にも大きいものがあり,社会的影響にも軽視できないものがあったと考えられる。また,瀕死の状態にある被害者らを病院前に放置して逃走した上,互いに口裏を合わせたり,凶器を投棄したりしているなど,犯行後の事情も芳しくない。
他方では,本件が被害者らの挑発的言動によって誘発されたことも否定できない上,現段階においては,その真意はどうあれ,被害者らから嘆願書が提出されていること,さらに,被告人の一部が後記のとおり慰謝の措置を講じていることなど,被告人らのために酌むべき事情も認められる。
(2)

被告人Aについて
被告人Aは,共犯者に犯行を指示した上,自らも苛烈な暴行を加え,さらに,ナイフ
等を用いて各被害者を突き刺すなどの暴行を加えたばかりか,犯行後も各共犯者との口裏合わせを企てるなど,終始本件犯行を主導しており,その果たした役割には極めて大きいものがある。また,現役の暴力団員として活動している上,当公判廷においても,同じようなことがあればまた同じことをすると言い切っているなど,反省の態度が十分とはいえないこと,平成9年に恐喝傷害等で少年院送致の矯正教育を受けた前歴を有することなどの事情をも併せ考慮すれば,その刑責は他の被告人と比して格段に重いといわざるを得ない。
(3)

被告人Bについて
被告人Bは,Aから連絡を受けるや,共犯者を誘い込むとともに,木製バットを持って犯行現場に駆け付け,他の共犯者に先駆けて被害者を手拳で殴打するなどの暴行を加えた上,被害者を自動車に積み込むなど,本件において積極的かつ重要な役割を果たしていること,傷害等による罰金前科1犯のほか,恐喝傷害等の前歴8犯を有するのに,交友関係等を改めることなく本件に及んでいることなどに照らし,その刑責は重いといわざるを得ないが,他方では,被害者らに合計100万円を支払うなどしていること,実母が今後の監督を誓約していることなど,酌むべき事情も認められる。
(4)

被告人Cについて
被告人Cは,Kと共に金属バットを用いて被害者の頭部等を手加減なく執ように殴り
付け,被害者が謝罪懇願しているのに無慈悲にも更に殴打した上,被害者を自動車のトランクに押し込むなどしており,本件において中心的かつ重要な役割を積極的に果たしているといえること,平成15年10月に傷害罪により懲役1年6月,3年間執行猶予に処せられたのに,わずか数か月で本件に及んでいること,真

しな反省の態度や本件結果の重

大性を適切に理解する心情は見受け難く,暴力や犯罪に対する抵抗感の希薄さがうかがわれることなどに照らし,その刑責はAに次いで重いといわざるを得ない。(5)

被告人Dについて
被告人Dは,Aに安易に同調し,年下である他の共犯者らに対して本件犯行をあおる
発言をした上,被害者を足蹴にし,自動車内に押し込むなど,相応の役割を果たしており,その刑責は重い。しかしながら,他方では,被害者らに合計60万円を支払っていること,前科がないこと,扶養が必要な妻子がいること,実父が今後の監督を誓約していることなど,酌むべき事情も認められる。
(6)

被告人Eについて
被告人Eは,被害者を蹴り付け,自動車内に押し込むなど,Dと同様に相応の役割を
果たしており,その刑責は重い。しかしながら,他方では,被害者らに合計60万円を支払っていること,前科がないこと,実父が今後の監督を誓約していることなどの酌むべき事情も認められる。
(7)

そこで,各被告人について,これら諸般の事情を総合勘案して,それぞれに対する刑
を量定した。
よって,主文のとおり判決する。
平成18年7月21日
神戸地方裁判所第1刑事部
裁判長裁判官

的場純男
裁判官

西野吾一
裁判官

三重野



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