判例検索β > 昭和52年(行コ)第70号
退去強制令書発付処分等取消請求控訴事件
事件番号昭和52(行コ)70
事件名退去強制令書発付処分等取消請求控訴事件
裁判年月日昭和53年10月11日
法廷名東京高等裁判所
判示事項1 国籍を断定できない不法入国者に対し法務大臣が出入国管理令50条に基づく特別在留許可を与えなかったことにつき,裁量権の逸脱ないし濫用がないとした事例 2 不法入国者が韓国国籍を有するものと断定し難い場合において,退去強制令書の送還先を「朝鮮」と記載したことが,出入国管理令51条,53条及び同令施行規則38条に違反しないとされた事例 3 いわゆる政治難民をその意思に反して迫害を受けるおそれのある国に引き渡してはならないということが,国際慣習法として確立しているとはいえないとした事例
裁判日:西暦1978-10-11
情報公開日2017-10-20 00:28:47
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○ 主文
本件控訴を棄却する
控訴費用は控訴人の負担とする。
○ 事実
控訴人は、原判決を取り消す。被控訴人東京入国管理事務所主任審査官が昭和四八年一一月二二日付で控訴人に対してした退去強制令書の発付処分を取り消す。被控訴人法務大臣が昭和四八年一〇月三〇日付で控訴人に対してした控訴人の出入国管理令第四九条第一項の規定に基づく異議の申出は理由がない旨の裁決を取り消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。との判決を求め、被控訴人らは主文第一項同旨の判決を求めた。
当事者双方の主張および証拠の関係は、控訴人が、当審において、

控訴人は、いわゆる「離散家族

に該当するから、日本国政府は、控訴人とその父Aと生活を共にしうるようにする責任があるところ、父Aは、朝鮮民主主義人民共和国を祖国として仰いでいる以上、控訴人は、合法的に韓国から日本に入国する可能性はないのである。本件裁決は、このような事情をしんしやくしなかつたのは、違法である。」と述べたほかは、原判決の事実摘示どおりであるから、これをここに引用する。
○ 理由
当裁判所は、控訴人の本訴請求は、失当として、棄却すべきであると判断するが、その理由は、次に付加するほかは原判決の説示するとおりであるから、これをここに引用する。

控訴人は、控訴人がいわゆる「離散家族

に該当する旨主張するけれども、当判決の引用する原判決理由二3(二)において認定した事実に徴すれば、控訴人がいわゆる離散家族に該当するものとは認められなく、本件裁決に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があつたものとは認められない。」
よつて、本件控訴を棄却することとし、控訴費用の負担については、民事訴訟法八九条、九五条を適用し、主文のとおり、判決する。
(裁判官 安藤 覚 森 綱郎 奈良次郎)

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