判例検索β > 平成14年(行コ)第145号
場外車券売場設置許可処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成13年(行ウ)第149号)
事件番号平成14(行コ)145
事件名場外車券売場設置許可処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成13年(行ウ)第149号)
裁判年月日平成14年11月12日
法廷名東京高等裁判所
判示事項自転車競技法(昭和23年法律第209号。平成19年法律第82号による改正前)5条1項に基づいてされた場外車券売場の設置許可処分の無効確認及び取消しを求める訴えにつき,当該場外車券売場の一般周辺住民の原告適格が否定された事例
裁判要旨自転車競技法(昭和23年法律第209号。平成19年法律第82号による改正前)5条1項に基づいてされた場外車券売場の設置許可処分の無効確認及び取消しを求める訴えにつき,場外車券売場の設置許可制度は,申請に係る施設の位置,構造及び設備が,公安上及び競輪事業の運営上適当であるか否かを審査することを目的とするものであり,周辺住民等の生活環境の保護を主眼に置くものではないし,場外車券売場の設置により,直ちに周辺住民の生命,身体の安全が脅かされ,その財産に著しい被害が生ずることは一般的には想定しがたいところ,自転車競技法施行規則4条の2第2項1号が,場外車券売場の設置許可申請書には,敷地周辺の文教施設及び医療施設を記載した場外車券売場付近の見取図を添付しなければならないと規定していること等からすれば,文教施設及び医療施設についてはその運営に関する個別的利益の保護を図る趣旨を含むものと考えられないでもないが,それ以外の一般周辺住民や周辺の事業を営む者の個別的利益の保護を図る趣旨が含まれているとは認められないとして,前記場外車券売場の周辺の文教施設及び医療施設設置者に当たらない一般周辺住民の原告適格を否定した事例
裁判日:西暦2002-11-12
情報公開日2017-10-19 21:30:32
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主 文
1 本件控訴を棄却する
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2(主位的請求)
被控訴人が株式会社対鶴ビル(以下対鶴ビルという。)に対し,平成13年4月24日付けでした場外車券売場サテライト津山設置許可処分(以下本件処分という。)は,無効であることを確認する。3(予備的請求)
被控訴人が対鶴ビルに対し,平成13年4月24日付けでした本件処分を取り消す。
第2 事案の概要
1 本件は,被控訴人が,自転車競技法(以下法という。)4条1項に基づき,対鶴ビルに対してした本件処分について,当該場外車券売場設置場所である岡山県津山市の住民である控訴人が,本件処分は,被控訴人が,法及び法施行規則に違反し,その裁量の範囲を逸脱して行った無効・違法な処分であると主張して,主位的に本件処分の無効確認を,予備的に同処分の取消しを求めた事案である。 これに対し,被控訴人は,場外車券売場周辺の住民である控訴人は本件処分の無効確認及び取消しを求める原告適格を有しないから,本件訴えは不適法であると主張して争った。
2 原判決は,控訴人は本件処分の無効確認及び取消しを求める原告適格を有しないから,本件訴えは不適法であるとして,これを却下したので,これを不服とする控訴人が控訴したものである。
3 関係法令の定め,前提となる事実,争点及び当事者の主張は,後記のとおり当審における控訴人の主張を付加するほかは,原判決事実及び理由欄第2事案の概要の1ないし3(原判決2頁19行目から10頁10行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も,控訴人は,本件処分の無効確認及び取消しを求める原告適格を有しないから,本件訴えは不適法であって却下すべきものと判断するものである。その理由は,2において,当審における控訴人の主張及びこれに対する判断を付加するほかは,原判決事実及び理由欄第3当裁判所の判断の1(原判決10頁12行目から14頁3行目まで)に説示するとおりであるから,これを引用する。2 当審における控訴人の主張及びこれに対する判断
(1) 控訴人は,場外車券売場の周辺には,文教施設及び医療施設が存在し,控訴人が代表を務める市民オンブズマンつやまのメンバーには,それら文教施設及び医療施設の関係者がいるから,控訴人には原告適格があると主張する。 しかし,行政事件訴訟法9条1項によれば,本件処分の取消しを求める法律上の利益については,本件訴えを提起した控訴人について判断すべきところ,控訴人の主張によっても,控訴人が文教施設及び医療施設の関係者であると主張しているものではないことは明らかであるから,上記主張はその前提を欠くものであって,採用することができない。
(2) 控訴人は,サテライト津山の開設後,ギャンブルによる借金返済のための婦女誘拐等が発生しており,また,これに通っている者の中から破産者も出ているから,その予防のためには,本件処分を取り消す必要があると主張する。 しかし,控訴人の上記主張も,控訴人が本件処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有することを裏付ける事情とはいえないから,同主張もまた採用することができない。
第4 結論
以上によれば,本件訴えを却下した原判決は相当であるから,控訴人の本件控訴は理由がない。
よって,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第21民事部
裁判長裁判官 石垣君雄
裁判官 大和陽一郎
裁判官 富田善範

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