棄却
最高裁判所の五八年判決は昭和五〇年改正法についての合理的期間を説く前提として、右...昭和六一年改正法の問題点...和六一年改正法という)にもとづいて行なわれたが、この昭和六一年改正法は、改正前の
1 衆議院議員の定数配分規定の違憲性の判断基準
2 衆議院議員定数の配分基準としての「府県単位・人口比例配分方式」は、明治22年の衆議院議員選挙法制定以来、明治憲法、日本国憲法を通じて成立し、なお効力を維持している憲法的習律としての性質を有するところ、この憲法的習律は、成文憲法と同一の効力を有するものではなく、これに反するからといって直ちに違憲ということはできないが、憲法条規の解釈基準になるものであり、衆議院議員の定数の配分を行う上で合理的な決定基準となるもので、右配分の合理性の判断に当たって重要な解釈基準になるとした事例
3 昭和61年法律第67号により改正された公職選挙法13条、同法別表第1及び同法附則7項ないし10項による選挙区及び議員定数の定めが、右改正の際、衆議院議員定数の配分基準としての「府県単位・人口比例配分方式」によらずに部分的手直しを行ったもので、議員1人当たりの人口の最大区と最小区との較差2・99対1を残し、その手段、措置及び内容が改正法の立法目的である緊急暫定性と実質的に関連しているものといえないから、既に改正の当初から、同規定の下における選挙区間の議員1人当たりの人口又は選挙人数の較差は憲法の選挙権の平等の要求に反し、違憲な選挙権の不平等状態が存在しているが、右改正法の緊急暫定性という立法目的に照らし、右人口較差や次選挙の可能性をも考慮して、合理的期間内に抜本的改正により是正することが憲法上要求され、それが行われない場合に初めて右規定が憲法に違反するものと判定することができるとした上、右改正法成立後わずか2箇月足らずのうちに行われた昭和61年7月6日施行の衆議院議員選挙当時においては、抜本的是正のために憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったものと断定することは困難であるから、右選挙当時、憲法に違反するとはいえないとされた事例